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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

今だから言うけど

「先生、スズメの雛を拾ったので、相談にのって欲しいと中学生の男の子が来ていますよ。」

カメ子が言ってくる。

「スズメ? どのくらいの日齢だろう。」

「えーと、結構大きくて、これくらい!」

カメ子が手の平で包むような仕草をするが、そんなのじゃ、大きさはちっともわからない。

「もうすぐお母さんが来るから、それまで待たせてくださいって。」

「はい、了解。 でも、今は育雛用の挿し餌がないねえ。やっぱり、買っておかないといけないね。」

「サティなら7時まで、ペットショップが開いてますよ。」

と、カメ子。

「それと、ダイクスにもあるよ、結構種類が多いかな?ダイクスも同じ7時までなんだけど。」

さすが、人呼んで『ホームセンターのさすらい人』。マル子が詳しく教えてくれる。

と、カメ子が

「ヘヘヘ・・・私、だいぶ昔のことですけど、マル子さんから『ダイクスは8時まで開いてるよ』と言われてですね、7時過ぎに出かけて行った事があるんですよ。

だけど自転車に乗って行って着いたら、もうダイクスは真っ暗になっていて
『・・・マル子の嘘つき!』
ってつぶやきましたよ、フフフ・・・」

「えー、そうなんだ。ごめんね、そんなことあったのかな。」

マル子が申し訳なさそうに首をかしげる。

と、そんな他愛も無い話をしているうちに、患者さんが到着したので、カメ子がまた走っていく。

「先生、先ほどのスズメの患者さんです。男の子はどうやら中学生じゃなくて高校生みたいです。
それと、お母さんじゃなくて、お父さんがおいでになりました。」

診察室には、とっても可愛い茶色の小さな羽毛に包まれた、巣立ち直前の雛が、タオルに包まれて入って来たのでした。

(スズメの赤ちゃんもこんなに可愛いんだな!)

小さな目をぱちくりさせた雛鳥を見ながら、改めて感じたのです。
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