ゴチン!
「今日ですね、病院の蛍光灯を買おうと思って、電器の卸屋さんに寄ったんですよ。」
お茶の時間、みんな揃った時にうつむいてマル子が話し始める。
「それでですね、用事が済んで駐車場から車を出そうとしたんですが、偶然両側にうちの近所の電気屋さんや知り合いの電気屋さんが来てて車を止めてたんですよ。
それで、右側の電気屋さんの車にも、左側の電気屋さんの車にも
『こんにちわ! こんにちわ!』
って頭を下げてあいさつしながら、そろりそろりと車をバックさせてたんです。
見通しがきかなかったんで、ゆっくり下がったんです。そして大きくお尻を右に振りながらバックし、お店の向こう側の、反対車線側に車を持っていこうとしたんですが、大きく回りすぎて、車の左後ろをガードレールにゴチンとぶつけたんです。
(うわあ! 当たった!)
シマッタと思ったんですが、電気屋さんに見られてるので、そのまま走り出して、こっちに戻って車の後ろを見たら、けっこうやっちゃってました。トホホ・・・(ションボリ)」
「え!? それは大変だね。 へこみはだいぶ大きいの?」
「ウインカーのところが割れてるし、多分・・・」
病院の蛍光灯を買うために、カメ子の自慢の愛車を傷つけることになりわたしは大変気の毒に思いました。
「うわあー、車をぶつけたら、私なら何日も心にしみのように暗いものが残るわ。」
と、カメ子が同情する。
「うん、そうね・・・」
と、マル子がうなずく。
「ショックだよね、・・・でも、僕はバンパーを擦った時、二日であきらめをつけたけどね。」
私が慰めにならない慰めを言ったが、猫娘がすぐに
「いや、私なら修理するまできっと諦めきれないです。」
と、断言するように語る。
こうしてその日のお茶の時間は、マル子に哀悼の意をささげ、しんみりとした空気の中、黙って皆お茶をすすっていた。
(・・・でも、道の向こう側のガードレールにぶつけたのは、やっぱり大きく曲がりすぎだよ・・・)
と、みんな思いながら、静かにお茶を飲む。
・・・・・・・
お茶の時間、みんな揃った時にうつむいてマル子が話し始める。
「それでですね、用事が済んで駐車場から車を出そうとしたんですが、偶然両側にうちの近所の電気屋さんや知り合いの電気屋さんが来てて車を止めてたんですよ。
それで、右側の電気屋さんの車にも、左側の電気屋さんの車にも
『こんにちわ! こんにちわ!』
って頭を下げてあいさつしながら、そろりそろりと車をバックさせてたんです。
見通しがきかなかったんで、ゆっくり下がったんです。そして大きくお尻を右に振りながらバックし、お店の向こう側の、反対車線側に車を持っていこうとしたんですが、大きく回りすぎて、車の左後ろをガードレールにゴチンとぶつけたんです。
(うわあ! 当たった!)
シマッタと思ったんですが、電気屋さんに見られてるので、そのまま走り出して、こっちに戻って車の後ろを見たら、けっこうやっちゃってました。トホホ・・・(ションボリ)」
「え!? それは大変だね。 へこみはだいぶ大きいの?」
「ウインカーのところが割れてるし、多分・・・」
病院の蛍光灯を買うために、カメ子の自慢の愛車を傷つけることになりわたしは大変気の毒に思いました。
「うわあー、車をぶつけたら、私なら何日も心にしみのように暗いものが残るわ。」
と、カメ子が同情する。
「うん、そうね・・・」
と、マル子がうなずく。
「ショックだよね、・・・でも、僕はバンパーを擦った時、二日であきらめをつけたけどね。」
私が慰めにならない慰めを言ったが、猫娘がすぐに
「いや、私なら修理するまできっと諦めきれないです。」
と、断言するように語る。
こうしてその日のお茶の時間は、マル子に哀悼の意をささげ、しんみりとした空気の中、黙って皆お茶をすすっていた。
(・・・でも、道の向こう側のガードレールにぶつけたのは、やっぱり大きく曲がりすぎだよ・・・)
と、みんな思いながら、静かにお茶を飲む。
・・・・・・・
2009-11-11 15:00
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