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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

イケメンポリスマン

その日は朝から冷たい雨が降り続いていました。

狭い院長室で机に向かい心臓検査の本を読んでいると、猫娘が来て言いました。

「先生、さっきですね、ポリスマンが来て、『駐車場にちょっと車を止めさせもらっていいですか。』って、言ってきたんですよ。」

「へえ、ポリスマンが!?」

「はい、それがイケメンでしたよぉ。『このとおり・・・』と、身分証明書も見せてくれました。私が見てもわかんないんですけどね、でも、かっこ良かったですよお!」

ニコニコして嬉しそうに、猫娘が教えてくれる。

「ほー、イケメンの刑事さんか。どれどれ・・・・」

私は事務室からそーっと駐車場の方を覗いて見る。
外は雨空で薄暗い。
端っこに止まっている車が一台。ワイパーは動いておらず、フロントガラスには幾すじもの雨だれが伝わって落ちているのが見えるだけで、はたして中に人が乗っているかどうかもわからない。

「ふーん、張り込みなのかなあ?・・・」

「どうでしょうね・・・」

いつの時代も刑事ドラマは人気のようですが、まして本当の刑事さんなら(ご苦労様、街の治安を宜しくお願いします)と、応援したくなります。

私の従兄弟に、刑事をしているのが一人いますが、彼は怖そうな面構えで、いかにも刑事という顔をしています。

昔は地方の駐在所に家族ぐるみで赴任しており、どちらかというと気の弱い男でしたが、試験を受けて刑事になったようです。

最近はイケメンの刑事さんも多いのでしょうか?

車は雨に打たれながら、しばらく駐車場に止まっていました。
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