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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

駅のホームで

人は誰でも、間違う事がある。

失敗をしてしまうことがあるのだ。

今、実習に来てくれているマドモアゼルMは二十歳、某動物看護学校の学生さんです。

さて、犬の入院室を掃除中のことです。
彼女がしゃがんでケージを洗い、半ばまで頭を入れながら水切り棒を操作していた時、引いた棒の先端が後ろに居たカメ子のお尻に命中した。

「きゃあ! 浣腸された!」

「あ!すみません、カメ子先輩! 気がつきませんでした。」

「もう、気をつけてよね。」

「すみません。私そそっかしくて。ヘヘ・・実は以前も間違えて人に浣腸した事があるんです。」

「えっ!? どういうこと?」

「はい、実はまだ高校生の頃でしたが、私が駅のホームに出ると、友達がそこにいたんです。

それでこっそり近づいて、ちょうど持っていた傘で
『へい!浣腸!』
って言いながら友達のお尻を突いて、それでスカートをパラッとめくったんです。

そしたら、その人がびっくりした顔で振り向いたら、友達じゃなくて知らない人だったんです。

『あっ!!すっません、友達と間違えました! すっません・・・』

て、私、必死で謝りました。」

「ハハハ・・・、そうなの、なかなかやるわね。でも、私に浣腸は勘弁してね。」

お茶の時間、そんな話が、報告された。

人は誰でも、失敗をします。

凍りついたり、冷や汗かいたりしながら、いつか笑い話になっていくのです。
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