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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

頭痛から

「こんにちわ!」

年明けのある日、久し振りに、リンちゃん(仮名)がやってきました。リンちゃんは小型犬の男の子、いつも病院内を駆け回る元気者です。

ハアハア言いながら、夢中で動き回るそのエネルギーにいつも感心します。

だけど珍しいことに今日はいつものようにマダムが一人ではなく、御主人らしい方もご一緒です。

「どうぞお入りください。えーと、今日は一月だから・・・、リンちゃんの混合ワクチンですね。」

「はい、ハガキが来ましたので、」

ご主人がリンちゃんを抱いて入ってこられました。

(おかしいなあ・・・いつものようにどうしてマダムはお入りにならないのだろう。体調が悪いのかなあ?)

チラとそんなことを考えながらリンちゃんを診察し、ワクチンをうっていた時です。

「実は家内はこの秋に硬膜下出血で、入院してまして・・・」

ご主人のほうから、そんな事を話して下さいました。

「え!そうでしたか!それは、思いがけないことでしたね。」

まだ50代で若いマダムです。予想もしなかった事態だったでしょう。

「いえね、前日から頭が痛かったらしくてね、朝になって『近くの病院に連れて行ってくれ』と、自分で言うんですよ。それで私が連れて行ったら、『これはすぐ大学病院に行きなさい』と言われましてね。」

「じゃあ、発見が早くてラッキーでしたね。」

マダム自身の自覚症状の判断が適切だったのでしょう。

それにしても当院まで犬に付き添って来られたからには、マダムの病後の回復もきっと順調のようです。

新しい年は、マダムの病気が暖かくなるまでに完治し、またリンちゃんと元気良く散歩されるようになる事を、期待します。
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