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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

古い付き合い

「あれ、この犬なら私、知っていますよ!」

トリミングにやって来た黒い柔らかな毛をした犬のマリアちゃん(仮名)を見た時、実習生のタマ子がそう言った。

「え? なんで知ってるの?」

カメ子が聞く。

「だってこの犬、うちの近くの犬だと思います。私が中学生の頃から、見たことありますから。」

「へえ、そうなの。この子はね、十年位前かなあ、この病院で保護された子犬よ。里親さんが見つかって、もらわれて行ったんだけど、可愛がってくださって、時々カットに来てるのよ。」

「ふーん、そうだったんですか。昔ですね、この子、よく脱走して出てきて、うちの犬のフードを食べてましたよ、フフフ・・・。」

タマ子は嬉しそうに笑う。

それにしても、子供の頃の話ですが、近所の犬をよく覚えているのは、さすがに動物看護士です。

交番のお巡りさんは、担当地域の住人のことをよく勉強していると聞きますが、タマ子は動物が好きだからこそ、中学生の頃から近所の犬の動向や、顔つきをよく観察していたのかも知れません。

すれ違う犬や塀に登った猫なんかに、

「おい、今日はどこに行くんだ?」とか、

「おお、久し振りだな。心配したぞ!」とか、

話しかけられるようになったら、将来は動物関係に進んだ方がいいかもしれませんね。

猫嫌いの人には、何年見てても近所のノラ猫の特徴や見分けはつかないかもしれませんが、猫好きの人ならきっと名前までつけているでしょうしね。
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