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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

高校の化学部

「ヘヘヘ、先生、実は今まで話したことがないのですが、私、高校で化学部だったんです。」

お茶の時間でした。

カメ子が突然爆弾告白をします。

「え! カメ子が化学部? それは初耳だねえ・・・」

一同びっくりです。彼女は当院に十年以上勤めているのに、そんな話は聞いたことありませんでした。

「ある日ですね、やっぱり理科教室で実験してたんです。アルコールランプでフラスコに入れた薬品を温めていたんです。

それが先生からいつも、
『蛍光灯の下では、温めたら駄目だぞ!』
と、言われてたのはわかってたんですが、なんとなくうっかりして、その日は蛍光灯の下で、温めてたんです。

しかも、ちょっとの間、部屋を離れていたんです。

そしたら突然ボーンという大きな音がして、びっくりして教室に戻ったら、フラスコが爆発して、天上の蛍光灯が破裂して、その付近が白くもうもうとしてました。

私、蛍光灯が破裂したらそんなになるって、初めて知りました。」

と、カメ子が懐かしそうに笑顔で話す。

すると、隣で聞いていたタマエも負けずに話し始める。

「あの、私もですね、高校の時、実験で
『この薬品は使い終わったらこっちのバケツに、その薬品は使い終わったら向こうのバケツに入れなさい。』
と先生に言われてたんですが、間違えて入れてしまったんです。そしたら黒い煙が、モクモクと上がってきてびっくりしたことがあります。」

すると、カメ子が思い出したようにまた言う。

「そうそう、私も先生に
『薬品は流しに捨てたら駄目だぞ。』
と言われてたのに、ある時、硫酸だったかな?ついうっかり流しに捨てたら、炎が上がってびっくりしたことがありました。」

嬉々として話しながら、カメ子もタマエも笑う。

いや、参ったなあ・・・
彼女達が先生の言いつけを守る精神に乏しいのは、どうやら高校の頃から、持って生まれた天性の素質?らしい。

(むむむ・・・こいつらに病院の仕事させていて、大丈夫かしら??)

黙って聞いていた院長は、その日改めて不安になったのでした。
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