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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

警察署に正面玄関にて

「元気すぎて、もう三回、脱走しましたよ。」

柴犬のカンタちゃん(仮名)がワクチンに来た時でした。小学生の男の子がカンタの紐を引っ張りながら入ってきて、その様子を見守りながらムッシュが話してくれました。

カンタちゃんは1歳をすぎた柴犬です。誰にでも愛嬌がよく、元気盛りです。

「もう、元気すぎて、困っとります。

 庭で飼ってるんですが、一回目は紐を食いちぎって出て行きました。ジョギング中の人が見つけて、近くの交番に届けてくれてました。

二回目は、鎖で繋いでたんですが、何で抜けたか分らないんですよ。人がとらないとはずれないと思うんですが、鎖を引きずって逃げ出しました。・・・その時は、ピンポーンって、チャイムが鳴ったんですよ。そして

『ピザ屋ですが。』って呼ぶんです。

『うち、ピザは頼んでませんが。』

『いえ、今、お宅から犬が逃げて行ってましたよ。』

って、教えてくれてですね。それであわてて追いかけました。

それから三回目は、ウロウロしていた所を、通りかかった女子大生が見つけてくれて、早良署につれて行ってくれたようですよ。

捜してたら『保護されてますよ』って、教えてもらって、迎えに行ったんですが、カンタの奴、出てくる時、警察署の玄関に足上げてオシッコ引っ掛けて出てくるもんですから、

『おまえ、それはいかんやろ!』

って、叱りましたよ、ハハハ・・・。」

「え? 警察の玄関にオシッコですか?それは失礼ですね。」

なるほど、確かにそれは礼儀知らずというものです。いくら犬とはいえ、一宿一飯の恩義を感じ、もう少ししおらしく出てきてもらいたいのですが・・・。おしっこはかけたらいけないでしょう。

と、言っても・・・、無理な話ですね。
やっぱり、犬ですからね。

ここは、ムッシュにしっかり管理していただく以外、ないでしょうかね。それにしても、世の中には、逃げ出した犬を捕まえて、わざわざ交番や警察署まで連れて行ってくれる親切な方々が、たくさんいるんですね。

診察台の上で、えらく男前で、りりしい柴犬のカンタ君。

もうそろそろ脱走は卒業して、玄関でしっかり番をするようにならないとね。
男は、遊んでばかりじゃ、駄目なんだよ!
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