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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

ご褒美

ジェリー君(仮名)は15歳の雄猫です。腎臓に水の貯まる嚢胞ができる病気で、8年ほど通院しています。もともと食は細いほうですが、最近はいよいよ食欲が低下したようです。

先日点滴に来た時、飼主である美しいマドモアゼルが言われました。

「昔はキビナゴをよく食べてたんですが、最近は甘エビなら少し食べてくれるんです。
 でも毎日だと高くなるでしょ、それでイワシを買ってきたら、やっぱりあまり食べてくれませんんでした。フフフ・・・」

ジェリー君は、点滴の間じっと飼主の膝の上に伏せて、治療を受けています。

「よくあんな大きな錠剤を、一日三回も飲ませてあげられますね!」

ジェリー君は低カリウムになりやすいので、毎日大きなカリウム錠を飲んでいます。

「ええ、顔を上に向けて、口を開けさせてポトリと錠剤を落とすんです。それでうまく飲んでくれるんです。でも、そのあとご褒美にいつもコーヒー用ミルクを同じようにあげてるんです。

ジェリーはそれが好きで、くれるのを待ってるんです。あ、だけど、スジャータじゃなければ駄目みたいです。他のメーカーのミルクも試したんですが、スジャータが好きみたいです。」

スジャータの関係者が聞いたら喜びそうな話です。
「ほれ、やっぱりわが社のミルクの美味しさは、猫でもわかるんだぞ!」
って。

さて、毎日毎日、ジェリー君が美味しいご褒美をもらっている光景を見ていた小さな少女がいました。
姪御さんだそうですが、その子が車に乗ってシートベルトを初めてつけられた時、お母さんに言ったそうです。

「私もできたから、ご褒美ちょうだい!」

「あなたは、猫じゃないでしょ?」

「でも、ご褒美欲しいもん。」

そうです。猫じゃなくたって、ご褒美は欲しいんです。

猫だって欲しいし、小さな女の子だって欲しい。

奥さんだって欲しいし、旦那さんだって本当は欲しいんです。

みんな黙っているだけです。

ご褒美は、毎日毎日を励ましてあげる、あったかいツールですね。

今日は皆さんも、大事な人にご褒美を持って帰ってはいかがでしょうか?!


え?うちのスタッフですか?
彼らには、いつも飴とムチと両方用意しているんですが、
何しろ向こうからも石が飛んでくるしね・・・。
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