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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

空気穴

「カメ子のゴーヤの話ですか?」

モニターに向かっている私に、マル子が聞いてきた。

「フフ・・・うちのゴーヤも生るには生っているんですが、なんだかいまいちなんですよ。」

「育ちが悪いの?」

「はい、それが、ツル自体が細いんですよ。根元の茎がどうも細いんです。

それがですね、お向かいの奥さんが色んな供物を育てるのが上手なんです。それでたまたまお会いした時ですね、
『私の植えたゴーヤ、ツルが細いんですよね。』と、言ったら、
『うーん、それはきっと、空気穴を開けんといかんよ。』と、言われたんです。

『えっ? 空気穴・・・ですか?』

『そう、空気穴よ。鉢に植えていると、雨が何度も降るうちに、だんだん土が固く締まって酸素が通りにくくなるのよ。
だから、根の周りを棒で突き刺して、通気穴をあけてやるのよ。』

『ふーん、棒を刺すんですか?』

『そう、周囲を何ヵ所か刺して回ってごらん。
あのさ、あなたゴルフ場の柴知ってるでしょ。ゴルフをする人はスパイクのついた靴を履いているけど、あれはただの滑り止めじゃないのよ。

あのスパイクで芝の上を歩く時に、柴に穴を開けながら歩く意味もあるのよ。柴が元気になるようにね。』

『えー、そうなんですか!』

そんなこと教えてもらって、私、すぐゴーヤの根の周りを、突き刺してまわったんですが、そしたらすぐたくさん新しい花が開いたような気がするのは、たまたまなのか、効果が出たのか・・・・、そんなことがあったんです。」

「へー、空気穴ねえ・・・」

私もそんな事は全然知らなかったが、さすが専門家は違うものだと、感心しました。

根っこに外気を通してあげるのは、外の世界に触れさせる為に「可愛い子には旅をさせろ」に通じるのでしょうか?

なるほど若い命は、根腐れしないよう配慮し、そして水も肥料も過ぎたるは及ばざるが如しですね。
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