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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

ホノルル研修その4

さてホノルル動物園での二日目には、中型の高齢トカゲとカエルが食欲不振と足の疼痛のため検査するところを見学しました。

事前にはライオンに麻酔を施しての健康検査をすると聞いていたのですが、その前日ライオンに予定外の発情が見い出された為、交配を優先するため検査は延期になりました。
ライオンは今個体数を増やす為の努力が行われているそうです。その代わり、トカゲたちのレントゲン検査が午前中に実施されます。

大型動物も乗せられる広いテーブルに、小さな体が、なるべくべったりと張り付くようにセンサー上に無麻酔で寝かされ、ドクターが一人付き添い他の者達は、バタバタと物陰か室外に退いて、それを繰り返しながら撮影が続きます。

品種名は聞いたのですが、英語の為、残念ながら私の記憶に残りません。一つはまっ黒い落ち葉が張り付いたような扁平なカエルですが前肢跛行をしています。デジタルレントゲンで詳細に観察していましたが、原因不明でした。

中型トカゲの方は後肢の骨折が見つかります。彼らは安全なケージに展示されていてどうして骨折するか不思議ですが、人の見ていない時に活動的に動き回り、転落などがあっているのかも知れません。あるいは栄養上の問題があるかもしれません。
治療としては外科的処置は加えず、鎮痛剤リマダイルを投与しての安静療法となりました。

最後に滞在中一回だけみんなでワイキキビーチに泳ぎに出た時のこと。

実はマル子は泳げないことが発覚した。

「わあ、これは冷たい。結構水が冷たいぞ!!」

「本当だ! ウヘー冷たいです!」

膝まで水に浸かると、予想以上に冷たさを感じる。やはりハワイも秋である。
がんばって深みには入っていくと段々慣れるが、マル子がついて来ない。

「おーい、もう少し先まで行くよ!」

「だめです。私、泳げないから、これ以上は行きません。」

いくら呼んでも腰よりも深いところは、怖がって行こうとしない。情けない奴だ。まるで小学生のプールの時間がそのまま大人になったようだ。

一方、カメ子は

「わーい、ハワイの海だ! いつもテレビで映る海だ!」

と、せっかくの海を満喫している。カメ子は時々スポーツジムに行っているが、どうせ風呂に入っているだけかと思っていたが、ふむふむ、少しは泳いでいたようだ。一人で少し先まで行って、手を振っている。

我が管理人なる妻は、砂浜に座って、じっと遠くを見ている。

まもなく太陽も西に傾く頃、少しづつ空がオレンジ色に変っていく。
帽子を飛ばすほどの風の強いワイキキの浜辺には、たくさんの観光客の歓声が響いていた。
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