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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

謎の三角

当院に隣接して、農業用水路がある。コンクリで蓋をされているので暗渠になっているが、平坦な道が出来、北側は昔からフェンスがあって行き止まりになっている。

当院と接している長さは30mほどもある。
但し幅は2m程度の、とても細長い範囲です。
それでも犬の運動場に丁度良いため、毎日利用させてもらっている。

夏は隣の施設の緑豊かな生垣に、クマゼミがわんさかと来て賑やかに歌ってくれる。

秋は可愛いドングリも落ちてくるが、これは食べられないらしい。

冬は用水路から散歩中に、向かいの和菓子屋さんが正月用の餅を準備するのが見える。搗き立てのもちが店頭に並ぶ。美味しいと評判の店なので時々イチゴ大福など買っている。

そういうわけで、この運動場はスタッフも毎日歩くのだが、ある日カメ子がこんなことを言い出した。

「先生、先生、大変です!用水路に変なものがあります!」

「えっ? 変なもの?」

「はい、いつのまにか、赤い色で三角の模様が描かれたものがあるんです。真ん中が白く塗られています。そして中心に釘があります。

先生、これはきっと、何かの呪いではないでしょうか?」

「え!? 何かの呪い!」

「はい、これはもしかしたら、誰かがこの近くの何かを呪っているのではないでしょうか? そうだ、もしかしたら、うちの病院かも知れませんよ!」

「ええっ! うちの病院が呪われてるかもしれない!?」

「はい、急に置かれていて、これは怪しいですよ!」

「どこだ、どこにあるんだ!」

すぐにカメ子の案内で、用水路を見に行く。

すると、確かに用水路の中央付近、コンクリートの蓋の真ん中に赤い色で三角が描かれ、白い色に釘が打たれていた。

「おいカメ子、これは、しのしるしだ。」

「えっ、やっぱり死のしるし!ですか・・・」

「違う、福岡市の地籍調査係か何かが、打っていった測量の跡だ。」
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