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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

応急処置

五月の連休を利用して、息子の住む別府に出かけた時のことです。

三日目の朝、ビジネスホテルの狭い駐車場から車を出そうとしてエンジンをかけ、ドアミラーを起動するスイッチを入れた途端、ビシッという音とともに左右両方のドアミラーが止まってしまいました。

(あれっ? なんで動かないんだ?)

スイッチを何度も入れたり切ったりしてみましたが、それからは一向にうんともすんとも言いません。

ミラーはまだほとんど閉じたまま、固まってしまいました。

(あれれ、弱ったなあ・・・)

とりあえず駐車場から車を出すことにし、三階からスロープをクルクル回りながら降りましたが、ドアミラーが使えないので車体側面と壁との距離感がつかめません。

(うわあ、予想以上に、運転しにくいぞ。)

危ないので、ゆっくりゆっくり下ります。ゲートをくぐって外に出てきたら、ちょうど激しい雨も打ちつけてきました。

(これは、最悪だなあ・・・)

窓をちょっと開けてドアミラーを揺すってみますが、頑固に閉じたきりです。こうなったら力づくでミラーを起こそうかという誘惑にもかられましたが、

(いや、まてまて、壊れたら余計に面倒だ)

と思いとどまります。

連休中だ、きっとお店も開いてないだろうなあ・・・と思いつつ、別府にある車の系列店に電話をして見ましたが、やっぱり休み、テープの音声が聞こえるだけです。

とにかくどこか修理してくれる所はないか、あたってみようと十号線に出てゆっくり走りながら、ガソリンスタンド、一般の車の販売店の修理工場、タイヤ販売店など立ち寄ってお願いしましたが、取扱いが出来ないとのことで、丁寧に断られました。

(困ったなあ、サイドミラーが使えないなら、あちこちウロウロするのも危ないし、もう福岡に帰ろうか)

けれど最後に息子に教えてもらった、一軒の中古車販売店を捜して、みてもらえるか尋ねたところ、しばらく中で待つように言ってくださり、15分くらいで応急対処をしてミラーを起こしてくれました。

「配線がどこかでショートしているから、もうミラーは動かしたら駄目ですね。ヒューズを入れ替えてもショートをしますよ。だから容量の規定以上のヒューズを使って起動しましたから、動かすと火が出てくるかもしれませんよ。スイッチには触らずとにかくこのまま乗って、福岡で修理するように。」

「うわあ、ミラー、使えるんですね。ありがとうございます。助かりました。」

感謝感激で、お礼を言い、それからもうしばらく別府、杵築を観光して、夕方、無事帰宅できたのです。

応急処置は、動物の場合でも、車の場合でも大切なことだと思わされました。

トラブルの時、教科書どおりの正論で対処しないと、あとあと面倒なことになる・・・そういう心配があると、応急処置に臨機応変を取り入れることを、ためらってしまいます。

しかし、時と場合による。
そんなことを改めて学んだ、連休でした。

もちろん、福岡ではすぐ修理店に持って行きました。
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