SSブログ

聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

マル子、壁に当たる

「先生、先生は・・家の壁に頭をぶつけたことありますか?」

夕方の勤務を終えて帰り支度をしていたマル子が、急に変なことを聞く。

「え?」

「いえ、家の壁と言っても、室内じゃないんですよ。そとの壁、外壁です。

私ですね、昨日の休み、うちの子を、(高齢のコッカースパニエルです)をシャンプーしたんですが、終わって抱っこして運んでたんです。

プレハブで作ってるシャンプー室を出て、一段降りるんですが、外庭を数歩歩いてまた自宅に上がろうとしたんですが、目の前に洗濯物を干していたんです。いつもは、それをかき分けて、縁側に上がるんです。

昨日も、犬を抱いたまま、頭で洗濯物をかき分けるようにして縁側に上がろうとしたんですが、ガツーンって大きな衝撃が頭頂部を襲ったんです。

一瞬目がくらみそうでしたが、その衝撃は頭部を突き抜けて、首の付け根にまで達したのが、自分でわかったんです。

『イタタタタ・・・・・、』

目から火花と涙が出ても、声は出ないし、抱いている犬は落とせない。ただ、一人でタジタジとたたらを踏みながら下がって、うめいているだけです。

白い洗濯物は、何事もなかったように揺らめいているんですが、縁側はもう少し右側で、私は頭から外壁に突っ込んでいたんです。

てっきりそこから室内へ入れると思ってたんで、勢い良く突っ込んだんです。

先生、頭から外壁に突っ込んだら、痛いですよ!」

「ハハハ・・・、そりゃ、痛かっただろう。ハハハ・・・想像しただけでも、ぞっとするよ。ハハハ・・・。」

私はせっかくの日曜日、頚椎損傷をしそうになったマル子にいたく同情しました。

皆さん、もしマル子の家に行って、縁側の横の壁に赤い血痕がちょっぴり残ってたら、そここそマル子が突っ込んだ所だと、思い出してくださいね。
トップへ戻る
nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。