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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

運がいいとか、悪いとか・・・

「バーン!」

お昼にムッシュMが庭に出て植え木の剪定をしていた時です。
道路の方で大きな音がしました。

「おや、もしかしたら、またはねられたかな?・・・」

脚立の上から首を伸ばして見回しますが、車は走り去り、後は静かになりました。

「ふうむ・・・」

夕方になり、奥さんが帰宅しました。

「おい、また、何か車にぶつかった音がしてたぞ!」

帰ってきたマダムに、ムッシュはそう伝えます。

「あら、またね、可哀想ねえ・・・」

家の前は生活道路ですが、行き交う車はスピードを出しています。動物をはねる事故がよく起こっているようです。

それから二日後でした。気になっていたのでマダムは、道の附近を捜してみることにしました。すると、いました!
繁みにうずくまって、陰から子猫がじっとこちらを見ていました。

「あら、あんたね、あんたがもしかしたら、車に轢かれたんじゃないの?」

腰を屈めながらマダムが近寄っても、子猫は逃げません。キジに白が半分混じった、生後二か月くらいの子猫です。黙って、じっとマダムを見ています。

「どれどれ、あらあら、あんた、動けんみたいね。どうしようかね、ほっとくわけにもいかんしね。」

ひょいと子猫をつかむと、タオルにくるんで、マダムは病院に連れて来られました。

「先生、車に撥ねられて、三日たつのですが、・・・」

レントゲンをとると、骨盤骨折4か所に右股関節脱臼です。まだ乳歯でやっと乳離れをしたくらいの幼猫には、厳しい怪我でした。

入院室でスフインクスのように伏せたままです。
それでも点滴して三日目には、少しづつ食べ始めたので、回復の望みが出てきました。

食べれるなら、助かる!そう予測できました。

「がんばれよ!」

スタッフは、みんな無言で世話をしながら、応援しています。

それが、とっても可愛い顔をしているのです。

マル子がよそのうちに呼ばれて行って、お昼に春雨を出された時のような、可愛い顔をしています。

さて、体力が出てきたら、手術をしようかと相談しているところです。
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