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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

栗拾い

動物スタッフたちのお茶の時間です。

その日は、差し入れで頂いた「鶴の子」がありました。
白くて柔らかい大好きなお菓子ですが、なんと包みに「マロン味」と書いています。

「へえ、鶴の子に、マロン味があるんだ!」

誰かが言うと、栗に目がないカメ子がすぐそれをつかみあげて二つに割り、餡子を見て確認しながら食べました。

そして幸せそうに話し始めます。

「栗かあ・・・、私ですね、実は栗拾いに行ったことがあるんですよ。

小学校の三年生ぐらいの頃に、友達の誕生パーティに呼ばれて行ったんです。そこは町会議員さんのおうちで、お金持ちだったんですよ。

クッキーとクッキーの間にたっぷりアイスクリームを挟んだデザートが出て来て、わたしびっくりしました。あの頃は、せいぜいアイスキャンディーしか、食べない時代でしょ。

まさかクッキーでアイスクリームを挟むなんて、ありえないと思ったんです。目を丸くしましたよ!

オモチャも一杯あって、すごいなあ、いいなあ・・・と、思いました。

その後ですね、その家は庭に栗林があったんです。
『栗拾いをしていいよ』と言われたので、わーいって、みんなで庭に出て、走ってたら私こけて手をついたんです。

『痛い!』

手に栗のイガが刺さっちゃったんです。

帰ってから子供心にお母さんに叱られると思って、黙ってたんです。
その頃ガチャガチャの景品に、「ピンセットつきルーペ」というのがあって持ってたので、自分でトゲを抜きました。

これが結構役に立ったんですよ!」

カメ子の思い出話でした。
いつもお母さんに叱られていた様子が目に浮かぶようですね。

それにしても、その頃からカメ子の独立心は養われていたのかもしれません。

来年のカメ子の誕生日には、クッキーをアイスクリームで挟んで、あげましょう。
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