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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

二人で臼杵灯篭祭りに

「あの、これ、よろしければ皆さんでどうぞ。」

マダムTが、寝たきりになった高齢のワンちゃん、ウェンちゃんの褥瘡に塗る薬をとりに来られました。ウエンちゃんの体は大きくて、二人で世話をしないとなかなか寝返りも打たせられないのです。
で、その時、旅のお土産をくださったのです。

「わあ、ありがとうございます。飢えたスタッフが喜びます。あら、マダムはどちらに行かれたのですか?」

「はい、あの、臼杵まで行ってきました。ちょうど、灯篭祭りがあっているとかで。

以前お話したように、今年から、私の母が同居するようになったでしょ。それでどうしても私の手が、母に取られるようになりがちなんですよ。

そしたら東京に行っている次女が、こう言ってよこしたんです。

『お母さん、いつもお祖母ちゃんと寝たきりのウエンちゃんの世話ばかりで忙しいから、お父さんのこと後回しになりがちやろ。だけど、お父さんをないがしろにしたらいかんよ。

たまには二人で旅行でも行っといで。夫婦二人だけの時間をつくらんといかんよ。』

そう言ってくれたんです。フフフ・・・

『あなた、どうしよう、どこか行こうか?』

『うん、地方で行われている小さなお祭りなんかがいいな。』

それで、母に了解をもらって上の娘に家をお願いして、先日行ってきたんですよ。」

「えー、そうだったんですか。それはいいお嬢さんたちですね。」

ニコニコして話されているマダムのお顔を見ながら、私たちも聞いていて、心が温かくなるような嬉しさでした。

何かの事情でお母さんと急に同居するようになったそうですが、何かと大変な中で、家族が支えあっている様子を知らされるのは、気持ちが温まります。

さて、マダムがお帰りになって、みんなの目がお土産に集中しましたが、中から出てきたのは懐かしい昔からの大分銘菓、「ざびえる」でしたよ。
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