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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

一週間の威力

ロクちゃんは可愛いチワワの男の子です。今6歳の元気盛り。薄茶色の長い被毛を短めにカットしてもらい、すでに春の装いです。

花の咲いた花壇の周りでも、家でも元気に走り回っていますが、

「ロクちゃん、今日はロクちゃんの、病院に行くよ!」

と声をかけられると急にシュンとなって、ソファーで動かなくなるそうです。

ところがそんな時ロクちゃんが動かなくなったら、機嫌が悪いんです。家族が抱こうとしたり、捕まえようとすると途端に吠えて、怒りだします。

「ウワン、ウワン・・・・」

「もう、あなたは困った子ねえ」

ところが今日は、病院でもそうでした。

診察台ではブルブル震えておとなしかったのですが、狂犬病のワクチンが済み、診察が終了すると、待合室に戻ったロクちゃんは急に元気復活、どや顔で威張ってソファーに座っています。

「さあ、ロクちゃん、帰るわよ!」

マダムKがキャリーバッグに入れようとすると、

「ウワン、ウワン・・・」

「あら、また始まった。・・・もう、いつもこうなんですよ。動きたくないときは、怒るんですから。

この子の面倒は、家族みんなでもう六年間世話しているのに、怒るんです。

ところがですね、六年前、この子を小倉のペットショップで買った一番下の娘がいて、買ってたった一週間で

『やっぱり飼えないわ!返そうかしら・・』

と言ったもんですから、私たちが仕方なく引き取ったんです。

ところがその娘が帰省すると、ペコペコして絶対に吠えないんです。

たった一週間ですよ!わずか一週間しか世話しなかった彼女には今でも服従するのに、それ以来六年間世話している私たち家族にはウーウー怒るなんて、どう思います?」

「ハハハ・・・、それはいけないなあ、ロクちゃん。

もしかしたら、ペットショップから買い出してもらった恩義を相当感じているのかな?」

動物の行動、反応は不思議でいっぱいです。

何かを考え、何かを感じていて、自分なりに体が反応しちゃうんでしょうね。
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