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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

お父さんのドライカレー

「今日ですね、カールったらテーブルの上の子供のドライカレーをペロって舐めたんですよ!」

マダムSがパピヨンのカール君を連れてワクチンにお出でになりました。カール君は3歳で元気盛りの男の子です。

愛想が良くてみんなに尻尾を振り、しかし注射の時はちょっぴり緊張して、診察台でピッタリ静止したままです。

そのワクチンの後で、マダムが教えてくれたのです。

「それがですね、ちょうどそこに主人が居て、見てたんです。

『あっ! カールが彰のドライカレーを舐めたぞ!』

って、叫んだんですが、もう遅かったんです。

『おい、舐めたぞ、舐めちゃった。どうする?』

『えーっ! どうしましょう。子供の分も、みんな一皿ずつしか作ってないのよ。』

『むむ、・・・仕方ないなあ、俺がそばで見ていながら、防げなかったから俺の性だ。それじゃあ、俺のドライカレーを、彰にやってくれ。

その代わり、白ごはんでいいけど、何かおかずあるか? かけるだけでもいいぞ・・・・』

ってですね。うふふふふ・・・」

知らんふりして、子供に舐められたドライカレー食べさせるでもなく、もったいないからお父さんのと交換するのでもなく、ちゃんと廃棄処分するところが、可笑しいですね。

私なら、大好きなドライカレーを食べ損ねたら、三年ぐらい犬のことを恨むかもしれませんが、こちらのお父さんはさて、どうでしょうか?

まあ、今後は、食卓に厳重な警備が敷かれるようになることでしょう。

カール君、舐めるだけじゃなくて、いっそのことガブリとやれば良かったね。

あ! 玉ねぎが入っているから、駄目か!!
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