助けて!お釈迦様!
「チェリーを連れて来ようと思ったら、今朝は隠れて、居なくなっていたんですよ。」
朝、来院されたマダムKが、笑いながらそう教えてくれました。
実は昨夜、電話でマダムとチェリーちゃんの手術の相談をしていたのです。
「シャンプーの時見つけたんですが、会陰ヘルニヤが出来てます。なるべく小さいうちに手術したほうが良いですよ。」
「それじゃあ、さっそく明日、お願いします。」
そんな電話をしたのでした。
「その電話の時ですね、ちょうどチェリーが夕食を食べている時だったんですが、じっとこっちを向いていかにも話しを聞いているんです。
電話後、絶食させないといけないのことになったので、すぐにフードを片付けたでしょ。しかも、夜遅くに、水も無くなって、朝も普段ならもらえるパンが無くて、おかしいなあと感づいんじゃないでしょうか。
子供たちも、学校に行く前に、『チェリー、今日はがんばってね。』と、口々に励まして出かけたんです。
そしたらいつのまにか、居なくなっていたんです。
探したら、本堂の裏に隠れていました。
(マダムのうちは、お寺さんです。)
車に乗せても、いつもならはしゃぐのに、今朝はじっとうずくまって動かないんですよ。フフフ・・・」
マダムはニコニコと、そんなことを教えてくれた。
マダムの話を聞いていると、本当にチェリーちゃんは、手術が嫌で逃げ隠れしたようです。
「お釈迦様、助けてください!」
と、本堂の裏に逃げたかどうかは知りませんが、とうとう捕まった次第です。
その日一日は、チェリーちゃんを大好きなムッシュ住職さんも、法要のお経もうわの空で、チェリーちゃんの無事を祈っていたかも?しれませんね。