天気予報
六月に入ったばかりですが、九州の梅雨入りが発表されて数日たちます。
夜も十時近くになり、ようやく病院を片づけて勤務終了となりました。カメ子が窓越しに暗い外を見ながら言います。
「どうですかね、先生、外は雨は降っていますか?」
「うーん、どうだろう・・・、えーと、降ってないみたいだね。」
「フフフ・・・、天気予報を信じなくて良かった。今日は夜から大雨の恐れがあると言ってたけど、昼間、空が明るかったから、自転車で来たんです。どうせ天気予報なんて、当たるとはかぎりませんからね。」
「そうそう、男の甘い言葉と、天気予報は、信じちゃだめだよ! カメ子。」
すると、カメ子がぽそりと言った。
「・・・・・、信じてみたい。」