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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

健忘症?

「この子、誕生日はいつですか?もう一歳になったんですか?」

「はい、なりました。えーと、去年の・・・八月だったかしら、いや、四月だったかな?あれ、あれ?」

美しいマダムGとお嬢様が、トイプードルのみっちゃん(仮名)を初めて連れて来られたときです。
狂犬病のワクチンと登録を依頼され、私は申請書のために誕生日をお尋ねしました。

みっちゃんは、体重が2.5kgしかない小さな可愛いトイプードルで、私は最初まだ子犬かと間違えたほどでした。

「ねえ生まれたの、何月だったかね?」

「うーん、四月くらいだったんじゃない?どうだろう・・・」

お二人で思い出そうとしても、はっきりしないようです。

「じゃあ、帰宅されてから、もし血統書が見つかって誕生日がわかったら、教えてください。お電話でかまいません。ではとりあえず、去年の生まれということですね。」

「はい、去年です。」

・・・・・ということで、その時は終わったのですが、それから暫らくして電話があったようです。ネコ娘が言いました。

「先生、マダムから電話をいただきましたよ。どうやら誕生日は、一昨年の八月だったらしいです。」

「おや、おや、去年じゃなかったんだね。じゃあ、もうすぐ二歳じゃないか。ふーん・・・」

人の記憶って、あてにならないですね。去年の出来事でもすぐあいまい、不鮮明になってしまいます。いえ、みっちゃんの事を言いたいのではありません。自分自身でもつくづく思うからです。

何年たったか、わからなくなることって、ありますよね。
とくに親戚の子供が入学しただとかいう記憶になると、本当にあいまいになってしまいます。

「あれ、去年合格したばかりかと思ってたのに、もう卒業なの!?」って。

とにかく、どこかで記憶違いの方にお会いするたびに、安心してしまう最近の私です。
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