カメ子の選挙
「選挙は行かれましたか?」
歴史的な総選挙が終わった翌日です。キャバリアを連れて来た義姉に、私は皮膚病の診察をしながらそう尋ねました。
「ええ、でも私は一週間前に不在者投票をしてたのよ。」
ニッコリ笑って義姉がそう答えた時、すかさず傍にいたカメ子が口をはさみました。
「あっ、私も不在者投票しましたよ。ただ前日の土曜日でしたけど。
それが私ですね、てっきりいつもの投票場で投票できると思って、近所の集会所に行ったんですよ。
そしたら、確かに部屋の中に投票箱とか、机とか、会場の準備は
出来てるように見えたんですが、コチコチと叩いても、誰もいないんですよ。
『あれ? おかしいなあ?』と思ってたら、何かの始まる時間なのか、そのうち子供が入って来てですね。」
「ドジだなあ、やはりカメ子は。近所で投票できたら、普通の投票を二日間やってるのと、同じじゃないか。不在者投票は、区役所とかでしょ。
じゃあ、なんだい、『ここじゃないよ!』って、子供に教えられたのかい?」
「いいえ、私、そばの公園でベンチに座って、もう一度ハガキをしげしげと読み返していたんです。
そしたら、区役所だと書いているのに気がつきました。で、そっちへ行きました。」
「ふーん、集会所で誰にも会わなくて良かったねえ。もし『あなた、ここじゃありませんよ!』って言われたら、恥ずかしかったねえ。ハハハ・・・」
「はい、ヘヘヘ・・・」
こうしてカメ子も、無事国政に参加できたようです。
さあ、国民の期待はどう実るかなあ・・・・。
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歴史的な総選挙が終わった翌日です。キャバリアを連れて来た義姉に、私は皮膚病の診察をしながらそう尋ねました。
「ええ、でも私は一週間前に不在者投票をしてたのよ。」
ニッコリ笑って義姉がそう答えた時、すかさず傍にいたカメ子が口をはさみました。
「あっ、私も不在者投票しましたよ。ただ前日の土曜日でしたけど。
それが私ですね、てっきりいつもの投票場で投票できると思って、近所の集会所に行ったんですよ。
そしたら、確かに部屋の中に投票箱とか、机とか、会場の準備は
出来てるように見えたんですが、コチコチと叩いても、誰もいないんですよ。
『あれ? おかしいなあ?』と思ってたら、何かの始まる時間なのか、そのうち子供が入って来てですね。」
「ドジだなあ、やはりカメ子は。近所で投票できたら、普通の投票を二日間やってるのと、同じじゃないか。不在者投票は、区役所とかでしょ。
じゃあ、なんだい、『ここじゃないよ!』って、子供に教えられたのかい?」
「いいえ、私、そばの公園でベンチに座って、もう一度ハガキをしげしげと読み返していたんです。
そしたら、区役所だと書いているのに気がつきました。で、そっちへ行きました。」
「ふーん、集会所で誰にも会わなくて良かったねえ。もし『あなた、ここじゃありませんよ!』って言われたら、恥ずかしかったねえ。ハハハ・・・」
「はい、ヘヘヘ・・・」
こうしてカメ子も、無事国政に参加できたようです。
さあ、国民の期待はどう実るかなあ・・・・。
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2009-09-03 15:00
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