エクステンション
「おはようございます。」
「あ、あはようございます。・・・?」
ある朝、ふとマル子を見た時である。
(あれ、いつものマル子だけど、でもちょっと違うような・・・)
私はもう一度、チラチラと彼女に目をやった。
(うーん・・・、目の辺りが違うぞ。)
「おい、マル子、今日は気合を入れて、マスカラを塗ってるな。」
と、マル子がちょっと微笑んで答える。
「へへへ・・・、これはエクステンションです。」
「エクステンション?何だそれは・・・。」
「付けまつ毛ですよ。」
「ふーん、付けまつ毛をエクステンションていうのか。」
睫毛を伸ばしたくらいでたいした違いはないはずだが、でも確かに見た感じはどこか違う。
私も薄くなった頭にウイッグを載せて「エクステンションです」と、すました顔で言ってみたい気がするが、きっとこいつらは笑うだろう。
それにしても、マル子もこの年になってようやく美に目覚めたのかしら、それもいいことだろう。
後日検査室の後片付けをしながら
、彼女はまたこんな事を言っていた。
「先生、私、今日ダイエーに行った時なんですけど、そばにあった鏡を見て、目の下がへこんでいるのに気がついたんです。
「ウヘー、一日でこんなに年をとってる、たった一日でこんなに老けるのか・・・」
って思いました。
「ハハハ・・・老けたかい。ところで例のエクステンションはどうしてる?」
「あ、あれはもうやめました。目を洗う時、こうやって(と、動作を示しながら)しないといけないから、私には合わないんです。
睫毛パーマならいいんですけど。」
「・・・そうか、なかなか大変なんだな、女の子は・・・。」
そういうわけで、マル子の目は、また元の目に戻っている。
いえいえ、ご心配なく。エクステンションがなくたって、誰が見てもちゃんと目の位置はわかると思います。
「あ、あはようございます。・・・?」
ある朝、ふとマル子を見た時である。
(あれ、いつものマル子だけど、でもちょっと違うような・・・)
私はもう一度、チラチラと彼女に目をやった。
(うーん・・・、目の辺りが違うぞ。)
「おい、マル子、今日は気合を入れて、マスカラを塗ってるな。」
と、マル子がちょっと微笑んで答える。
「へへへ・・・、これはエクステンションです。」
「エクステンション?何だそれは・・・。」
「付けまつ毛ですよ。」
「ふーん、付けまつ毛をエクステンションていうのか。」
睫毛を伸ばしたくらいでたいした違いはないはずだが、でも確かに見た感じはどこか違う。
私も薄くなった頭にウイッグを載せて「エクステンションです」と、すました顔で言ってみたい気がするが、きっとこいつらは笑うだろう。
それにしても、マル子もこの年になってようやく美に目覚めたのかしら、それもいいことだろう。
後日検査室の後片付けをしながら
、彼女はまたこんな事を言っていた。
「先生、私、今日ダイエーに行った時なんですけど、そばにあった鏡を見て、目の下がへこんでいるのに気がついたんです。
「ウヘー、一日でこんなに年をとってる、たった一日でこんなに老けるのか・・・」
って思いました。
「ハハハ・・・老けたかい。ところで例のエクステンションはどうしてる?」
「あ、あれはもうやめました。目を洗う時、こうやって(と、動作を示しながら)しないといけないから、私には合わないんです。
睫毛パーマならいいんですけど。」
「・・・そうか、なかなか大変なんだな、女の子は・・・。」
そういうわけで、マル子の目は、また元の目に戻っている。
いえいえ、ご心配なく。エクステンションがなくたって、誰が見てもちゃんと目の位置はわかると思います。
2009-10-21 15:00
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