ネコ嶽の言い伝え
これはシロちゃんのお母さんが、昔々、近所のばあ様に聞いた話じゃと。
・・・・・・・
お前たち、知っておるか?
雄猫はのう、家で飼っているある日、ふいに居なくなるじゃろう、ぱったり帰らなくなる事があるじゃろうが。
そうして一年か二年位して忘れかけた頃、ふらりと帰ってくる事があろうが。
それはのう、雄猫たちは時期が来るとネコ嶽をめざして旅に出るからじゃ。そう、九州の阿蘇にあるネコ嶽じゃ。
故郷に別れを告げ、長い日にちをかけて、ネコ嶽まで遠い旅をするんじゃ。それは一人前の雄猫になるための、避けられない道なのじゃ。
山を越え川を越え、日照りの中も雨のぬかるみも、阿蘇を目指すんじゃ。
途中で出会うものが狼であれ、熊であれ、あるいは大蛇であれ、どんな相手にもうまく立ち回り、苦難を乗り越えてネコ嶽目指して進み続けるのじゃて。
そしてのう、ネコ嶽の岩山奥深く登ると、トラのように大きなネコが一匹待っているんじゃそうだ。
雄猫達はみんな大ネコ様に挨拶に出向くんじゃな。
そして大ネコ様から、地方の町々でのし歩く為のお墨付きをもらうそうな。
その後は山の広場に雄猫達が集まり、ドンちゃん騒ぎをしてのう、大いに楽しむんじゃ。
それから暫らくたったら、名残惜しいが仲間に別れを告げ、再び故郷目指して帰るんじゃ。
帰るときには、みんな耳が少しづつ切られていて、ネコ嶽に行ってきた証しが残るそうな。
じゃからみんなの家に、ふらりと帰ってきた雄ネコがおったら、きっとネコ嶽まで行ってきたんじゃ。
耳を見てみい。きっと切られておるから。
うそじゃないぞ。ばあ様はそのネコ嶽のふもとの村の出身じゃ。ばあ様の村には、そのトラのように大きなネコを見た事があると言う者も何人もおるんじゃ。
おー、おー、村が懐かしいのう・・・、
村の水車小屋から見えた、雲に霞んで聳えるネコ嶽が懐かしいのう・・・・
ばあ様の話は、これで終わりじゃ。
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お前たち、知っておるか?
雄猫はのう、家で飼っているある日、ふいに居なくなるじゃろう、ぱったり帰らなくなる事があるじゃろうが。
そうして一年か二年位して忘れかけた頃、ふらりと帰ってくる事があろうが。
それはのう、雄猫たちは時期が来るとネコ嶽をめざして旅に出るからじゃ。そう、九州の阿蘇にあるネコ嶽じゃ。
故郷に別れを告げ、長い日にちをかけて、ネコ嶽まで遠い旅をするんじゃ。それは一人前の雄猫になるための、避けられない道なのじゃ。
山を越え川を越え、日照りの中も雨のぬかるみも、阿蘇を目指すんじゃ。
途中で出会うものが狼であれ、熊であれ、あるいは大蛇であれ、どんな相手にもうまく立ち回り、苦難を乗り越えてネコ嶽目指して進み続けるのじゃて。
そしてのう、ネコ嶽の岩山奥深く登ると、トラのように大きなネコが一匹待っているんじゃそうだ。
雄猫達はみんな大ネコ様に挨拶に出向くんじゃな。
そして大ネコ様から、地方の町々でのし歩く為のお墨付きをもらうそうな。
その後は山の広場に雄猫達が集まり、ドンちゃん騒ぎをしてのう、大いに楽しむんじゃ。
それから暫らくたったら、名残惜しいが仲間に別れを告げ、再び故郷目指して帰るんじゃ。
帰るときには、みんな耳が少しづつ切られていて、ネコ嶽に行ってきた証しが残るそうな。
じゃからみんなの家に、ふらりと帰ってきた雄ネコがおったら、きっとネコ嶽まで行ってきたんじゃ。
耳を見てみい。きっと切られておるから。
うそじゃないぞ。ばあ様はそのネコ嶽のふもとの村の出身じゃ。ばあ様の村には、そのトラのように大きなネコを見た事があると言う者も何人もおるんじゃ。
おー、おー、村が懐かしいのう・・・、
村の水車小屋から見えた、雲に霞んで聳えるネコ嶽が懐かしいのう・・・・
ばあ様の話は、これで終わりじゃ。
2010-02-25 15:00
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