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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

日本に生まれた意味

「へえー、あそこのワンちゃん、お店で買ってきたドッグフードをもらってるらしいよ!」

「わあ、すごいねえ。」

30年くらい前は、まだドッグフードを食べる犬は、いいところのお屋敷犬ではなかったろうか。
ほとんどのうちでは、家の残り物を食べるのが当たり前、それが犬も猫も当然でした。

しかし時代は変わりました。
今では、「家の残り物をやっています。」などと言おうものなら、(さぞひどい虐待か、粗末な待遇しか受けていないのか・・・)と、思い込まれてしまうでしょう。

「犬に服なんか着せて、どうかしてる。犬のほうがどれだけ迷惑か!」

街で見かける、洋服を着た犬に、そんな意見を聞く事が多かったのも20年くらい前まででしょうか。

最近では、沢山の小型犬が重ね着などしながら、可愛い写真で雑誌を飾っています。

「あの、洋服を脱がせて貰っていいですか?」

飼い主さんに頼まないと、診察台に上がったワンちゃんを診察しにくい時代になりました。

さて、それでは未来の変化は?

私たちの子供の頃は、運動場も体育祭も裸足で駆け回っていましたが、いまでは運動靴使用が大部分でしょうか?

犬の足の病気や怪我が少なくない事を考えると、もしかしたら20年後の犬たちは、みんな四本足に靴をはいて得意そうに散歩して回っているかもしれません。

もうすぐ南アフリカでサッカーのワールドカップが開催されるそうですが、そんな国でも
たくさんの子供達が、食べる物も不足し、学校も行けず、裸足で街を歩き回っていると聞いています。

日本では犬が、蟹缶のように高い缶詰めを食べ、犬の学校で訓練を受け、元気がないと病院の診察を受け・・・(それで私たちは生活していけるのですが)

日本に生まれさせられた私に、世界への責任を、いつか神様はどう問われるのだろうか?

チラと考えながら、仕事を続けます。
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