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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

猫娘語録

その1

秋になると動物病院は比較的暇になる。
こんな時期は、だらだら残業するより、さっさと帰ったほうがいい。

その日も終業時間が来たので、ジョークを交えて私は大きな声で伝えた。

「総員 撤退!」

「え? なんですか? なんて言われました?」

「総員退避、急速潜航!」

「え? きゅうそく? きゅうそくせんこうって休むんですか?え?休息?・・・」

猫娘は戦争映画などを見たことないのだろう。院長の時代がかったジョークは彼女には全く意味不明だったです。



その2

猫のマーちゃんを連れてムッシュYが定期注射に来られた。
細身のムッシュはスタイルのいい、素敵な青年です。
けれどその日は、いつもよりさらに細く見えた。

「あら、ムッシュ、なんだか痩せられたんじゃないですか?」

「先生、そうなんですよ。この夏職場で配置転換があって、今まで事務職でしたけど、今度、現場に入ったんです。
そしたらすごく暑くて暑くて、八月から10kg痩せました。」

「えー、10kgもですか!・・・」

毎月注射が必要なマーちゃんの体調も心配だが、ムッシュの健康も気になりました。

ムッシュがお帰りになった後、私は猫娘に言った。

「大変な環境だよね、排水処理の現場は。」

「でも良いですね。働いてお金をもらいながら痩せられるんですから!」

ふーむ、なるほど、女性はそういう視点から話を聞いているのか。

でも猫娘、君は無理だぞ。
将来パティシエになりたいそうだから、ケーキ屋で働きながらきっと太るかな!
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