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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

琴がわかる犬

「こんにちわ、おひさしぶりです。ワクチンとフィラリアと耳掃除とお尻の手入れと、歯石の相談をお願いします。」

黒光りする綺麗なプードルのアンカちゃんを連れて、マダムMがお出でになりました。
カルテを見ると、一年ぶりです。

「おや、お久し振りです。元気にしてましたか?フィラリアもまだだったんですね、それでは検査から・・・」

体調を崩されて外出が減り、なかなか犬連れで出て来れなかったようです。
でもクリクリした目で元気そうなアンカちゃんの足から採血をし、ワクチンも接種しました。

一通りの処置が終わった頃、マダムが言われます。

「主人は今、駐車場でオカリナを吹きながら待っているんですよ、自分で焼いたオカリナで。」

「へえ、オカリナですか?」

「フフ・・もともと尺八を教えているんですが、ギターも少し弾きます。」

「尺八は音を出すのが難しいんですよね。それではマダムも琴を弾かれるとか?」

「はい、主人を手伝いながら、時々弾いています。それがですね、私が琴を弾いていて間違うとですね、この子がピッと足を上げるんです。」

「はっ? 琴を間違えると、アンカちゃんが足を上げる?」

「はい、曲を覚えてるんでしょうね。私が間違えると、後ろ足をピッと上げるんです。」

「えええー! 音程が分かるんですかね。しかも旋律を覚えてるんですか?」

「はい、間違えるとそのところで、足をピッとあげますから、フフフ・・・。」

本当でしょうか?すごい音楽的才能です。犬にそこまで能力があるとは・・・! マダムのお話しを聞いてびっくりしました。

明日、うちのスタッフ達への訓示の時、さっそくこの話をしましょう。

「君達、犬でさえ、日常聞いてる、琴の間違いがわかるんだぞ。
 それなのになんだ、君たちは昨日、正面玄関の鍵をかけないまま、帰宅していただろう!!」
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