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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

勉強!

病院猫の畏咲です。

先日獣医学何とかフォーラムという名前の大会があり、院長も看護士も全員勉強に出かけたそうです。

獣医学は近年進展が目覚しく、一年でも勉強を怠ると随分取り残されることになります。だからたとえば院長は毎月のように講習会に出かけているようです。

だけど問題は、勉強が身につくかどうかですよね!

今回の大会も、表向きは「さあ、勉強、勉強」って、みんな張り切って国際会議場まで出かけていましたが、マル子たちは「お腹がグーグー鳴るから別室に行こうか」なんて言ってたみたいですから、どこまで真面目に聞いてきたか・・・。

配達に来る薬屋さんから聞いた話しでは、休み時間に企業やメーカーの展示ブースに立ち寄った時、配ってもらったキャンデーにカメ子が
「わーい、今日一番の収穫ね!」
なんてはしゃいでいたそうですから、困ったものですよ。

タマエも
「先生!先生のお弁当は、何区画に分かれてましたか?私たちのは9品でしたよ!!」
なんて聞いてたみたいだから、多分その日の夕方にはもう玉子焼きやシューマイのことしか覚えてなかったかもしれないな。

なあ、たのむぜ、みんな。

人生、一生勉強だからな!!
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飼主の入院

病院猫の畏咲です。
先日、チンチラの高齢のミーちゃんが、同じく高齢のムッシュに連れられて来たんです。

「お尻周りを刈ってくれ。ウンチがついて、どうもならん。下痢を部屋に落としてまわって・・・。」

すごく重たそうにミーちゃんの入った籠を下げて、転ばないよう足取りゆっくりと・・・。

「どれどれ、あれあれ、本当に汚れているなあ・・・」

お尻周りにバリカンを入れると、たしかにミーちゃんは、毛刈りをしてもらいながらも、ひどい下痢をしました。

「わ、わわ、ムッシュこれは直さないと大変ですね。注射しときます。」

院長があわてて下痢止めを用意していると、

「今度、俺も入院することになったが、だれか引き取ってくれる人はいないかなあ?動物愛護会はないのか?」

「むむむ、それは、なかなか難しいですよ、困りましたね・・・」

ムッシュの家には、まだ見たことないが、あと二匹猫がいるらしい。
高齢で、一人で、猫のトイレの世話をしているのだろうか?

高齢になるほど、ペットの存在は大切になるが、克服しないといけない問題も、あるようだ。

さて、うちの院長は、おいらよりはたして長生きしてくれるかしら・・・?
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高齢の病床

病院猫の畏咲です。
世の中には、いろんな病気があるもんですね。

「はっちゃん」は、14歳で高齢の中型犬さ。年末頃より寝たっきりになってから、足先が四本ともレンコンのように腫れあがってね。

最初は循環不全の浮腫かと思ったけど、バットのようにコンコンカチカチで、浮腫じゃないんだよ。レントゲンで撮ると骨全体が炎症を起こしているんだって。

「おい、はっちゃん、痛いかい?」

おいらが聞いても、

「うん、たいしたことねえや、それより自分の体が自分で動かせねえのが、何より難儀だぜ!」

振り返るのがせいぜいの頭を精一杯動かして、返事してくれたよ。

「暴れて、ベッドから落ちるなよ、褥瘡が悪くなるぜ!」

「ああ、傷もちっとずついいから、そう心配するなって。」

「そうかい、大事にな」

おとっつあんに抱いてもらって、帰って行ったけど、車に乗ったら、やっぱり腕をペロペロ舐めてたから、痛いのかもしれないな。

院長が出してた痛み止め、効いてくれるかな?
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教養

病院猫の畏咲です。まだまだ寒いですねえ。
ところで先日の事です。

2月のどんよりした空、時折小雨模様の寒い午後に、当院の駐車場で作業着姿の男性が三人うろうろしていたんです。

「誰でしょう? 何してるんでしょうかね?」

チラチラと外の様子を窺っていたマル子が、ちょうど通りかかった院長に聞いた。

「ああ、また市の地籍調査係の人たちだよ。今日は敷地内にポイントを打たせてください・・・って。」

「・・・ああ、例の『呪いの印』のですね。」

「ハハハ、そうだよ、赤い三角の呪いだ。
          (一月に登場した話です)

 でも、最近僕はコラムにつまらん冗談ばかり書いてるから、いかんなあ。
 たまには、まじめに書かないとね。
 教養がほとばしり出るような題材を取り上げようかな?」

「無理です、先生。
 教養は普段の生活に現われてきます。教養は書こうとして盛り込むものでなく、その人から自然に滲み出てくるものです。
 無理だと思いますよ。」

「・・・・」

すかさずきっぱり言い切るマル子の言葉に、院長はその後黙ってたなあ・・・。

院長、あとでおいらの所に、遊びに来いよ。
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かぼちゃ用包丁

「先生、この前ですね、長く使っている鍋のふたのつまみの部分がついに壊れたんですよ。」

避妊手術の準備作業をしている時、カメ子が話し始めた。

「鍋のふたが? ふーん、随分使い込んだのかな?」

「はい、それは気に入ってる鍋なんですけど、前からちょっとガタガタ緩んでたんです。でもついに、はずれちゃって・・・

なんとかそのまま使えるかな?と工夫したんですが、調理中にふたを取る時がやっぱりやりにくくて、これは無理だなと思い、金物屋に持っていったんです。」

「へえ、鍋のふたを持って行ったの?」

「はい、そしたら、『かしてごらん』て言われて、金物屋さんがゴトゴトしながら直してくれました。ちょっと嬉しかったですね。」

カメ子は、幸せそうに、話す。

「ふーん、鍋のふたをね、今時ね。・・・えらいね、カメ子は物を大事にして・・・」

「いえ、普通の鍋なら、そこまでしませんが、昔から愛用の鍋ですから。」

それから数日後の事、またカメ子が話してくれた。

「先生、知ってます? ホームセンターのダ○○○が、閉店するらしいですよ!」

「へえ、いいお店だったのにね。」

「そうなんですよ、で、私、この前覗きに行ったんですが、かぼちゃを切る包丁を売ってたんです。」

「あら、かぼちゃ専用の包丁なんてあるの?」

「ありますね、こんな形でこうこうなっているのが・・・」

マル子が横から、説明を加える。タマエはキョトンとした顔で聞いている。

「あるんですよ、かぼちゃは固くて切りにくいから、私も最近は切って売っている冷凍かぼちゃをよく買ってるんですが、でもその日、包丁が売ってたんで、買おうか、どうしようか、立ってしばらくじっと考えたんですよ。

閉店セールで値引きしてくれてるんですが、でもニ千五百円くらいして、その時は買わずに帰って、ついでの時にこの前の金物屋に寄って、おじさんに聞いたんです。

『かぼちゃ包丁って、あるんですか?』って。そしたら

『あるよ、うちにもあるけど、あんまり普通の包丁と、使いやすさは変らないみたいだよ。』

って、言われたんです。それで結局、買いませんでした。ふふふ・・・

私、なんだか金物屋って好きなんですよ。金物屋さんって、見ていて楽しいですね。」

「ほー、金物屋が好きねえ・・・、そうだね、面白い物がいろいろあるからね。」

かくして、カメ子は金物屋に好奇心を引かれることがわかった。

まあ、女性が金物屋好きなら、世の男性諸氏には、いいだろう。

これがもし、貴金属屋が好きなら、大変ですもの・・・。
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雨樋

「ほほう、カメ子の奴、してくれるのか・・・」

時折小雪がちらつく、二月のある午後でした。カメ子が脚立を抱えて外庭を歩いて行くのが窓から見えました。

話しは4,5日前の雨の夜に遡ります。
夜1時ごろに病院の見回りをしていた時です。診察室の辺りに来るとバチャバチャバチャと音がしていました。

(あれ、どこから音がしてるんだろう?)

単調な連続音でした。エアコンか換気扇かと見ますが、スイッチは切れています。窓の外を見ると病院は平屋ですが、雨量が多いために雨樋の左右連結下降する所で水が溢れてこぼれ出し、真下に設置されてある温水ボイラーを叩いているのでした。

(あらら、これはいけないなあ、なんとかしないと)

と、そのことを翌日カメ子に話していたのですが、カメ子は忘れてなかったのでしょう。暇になった時間を利用して雨樋の掃除に出たようです。

(この寒い中、よく一人で始める気になれるなあ・・・)

私は感心しました。
こういう点は、カメ子の偉いところです。
誰だって冬の寒い中に、外へ出て、一人で雨樋に詰まった枯れ葉や汚れ物を掃除したくはないでしょうに。

仮に行くとしても、
「ねえ、樋の掃除するから、手伝って」
と、誰かを誘うのが普通です。


「タマエ、カメ子が外庭にいるから、手伝ってやってくれ」

事故があってはいけないので、タマエを応援に出しました。それからも気になって、窓から引き続き様子を見ていましたが、どうも附近の足場が悪そうです。

脚立が立てられない。届きそうにありません。二人の手に負えそうにないので、私も応援に出たのでした・・・。

私が行っても道具不足が否めなかったのですが、梯子状に伸ばして壁に立てかけ、なんとか古い枯れ葉や泥になりかけた堆積物を掻き出してめでたく終了です。

周辺に散らかった枯れ葉屑や泥を、箒で集めてタマエがきれいにしてくれました。

さあ、この次雨が降ったら、雨樋は機能してくれるかな?
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アイロン

ようやく寒さが和らいだ、二月のある朝でした。診察室でダックスの耳の洗浄をしている時です。カメ子が言いました。

「先生、私、土曜と日曜の休みに時間があったので、家でキャビネットの片付けをしたんです。」

「うん、片付けを?」

「はい、前から整理したかったんですが、やっと時間が出来て。実はあまり着ない服がたくさん入っていて、やっと処分する服を選び出したんです。

そしてそれらをじっと眺めながら、自分はせっかく買ったのにどうしてこれらの服をあまり着なかったのだろうかと、分析したんです。」

「ほほう、それで・・・」

「はい、それでわかったことは、私は着てシワがより易いのは着ない!ということでした。」

「へえ、シワがよりやすい服は、実はカメ子は避けると!?さてはアイロンかけが面倒なのか?・・・」

「はい、どうもシワがよらない服ばかり無意識に選んでいるみたいです。」

「まあ、シワがどうであれ、どっちにしろ、君は趣味がおかしいから、店員さんにまかせて選んでもらった方がいいよ。色とかフリルとか一切好みを言わずに。」

「デパートでそういう買い方もあるそうですが、高いそうですよ。」

「うん、デパートでなくても、そこの店員さんに委任すれば、予算内でしてくれるよ。」

「それこそ、腕の見せ所ですからね。」

と、そんな話しで終わった。

そうか、カメ子はシワがよらない服が多いのか・・・。

うん?待てよ、そう言えば、私の服も、もしかしたらシワがよらないものが多いのかな?  

家に帰っても、アイロンが出ているのは、ほとんど見たことないしなあ・・・、
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もう一度、猫を

「こんにちわ、プルリンを迎えに来ました!」

今日は、避妊手術をした猫プルリンの退院日です。マダムOとお嬢さんが、猫のお迎えに来られました。

プルリンは数週間前まで野良猫でした。痩せこけていた迷い猫をマダムが保護し、家に連れて帰ったのです。

「たくさんお食べ!」

見る見る体力を回復し、綺麗なキジ猫になりました。
顔も真ん丸くて美人です。

ところが栄養が行き届いたら発情が来たようで、夜中にえらくうるさく鳴くようになり、これはたまらんと、連れて来られたのです。

実はマダムのうちでは3年ほど前まで、別の猫を飼っていました。ところがだんだん食欲が無くなったので検査した所、内臓に何か癌のようなかたまりができていました。

開腹手術をして調べた結果、肥満細胞腫というものでしたが、手術して三日目に何も食べれないまま亡くなりました。

「もう私の歳では、新しい猫は飼えません。」

とマダムは言われていましたが、この冬、久し振りにニューフェイスのプリリンちゃんを連れておいでくださったのです。

「はいマダム、手術は無事終わっていますよ。」

「ありがとうございます。あの時は、悲しかったけど、今日はとても嬉しいです。」

マダムは娘さんの顔を見ながら、ニッコリ言われました。

ご年配の飼主さんが、新しいペットを迎えて元気になった姿を見るのは、私たちにとっても嬉しいことです。
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