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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

愛犬の帰還

「あのね、この前ね、知り合いのところの犬が四か月ぶりに帰ってきたんだって。」

愛犬チッチの診察を終えて帰る時、マダムがそんなことを教えてくれた。

「もともとね、飼主さんが入院することになったのよ。だけどその人一人暮らしなのでどうしようもないから、知り合いがその犬を預かったんだって。

でも、犬だっていきなりで、びくりしたんでしょうね。お家に帰りたいと思ったのかもしれないわ。数日した頃、とうとうその家をとび出しちゃったのよ。

急いで捜したけどもう見つからなくて、高齢の犬でねえ・・・心配して自宅にも見に行ったのよ、だけどいなくて・・・。

そのうち一か月くらいしてかなあ、飼主さんが退院してきたけど、犬はずっと戻ってこなかったのよ。

そしたらさあ、(どうしてるかなあ・・・)と思うのも段々忘れがちになる頃、ひょっこり元の家に帰ってきたんだって。

そんなこともあるんですねえ。フフフ・・・・」

そりゃあ、飼主さんは喜んだでしょうね。犬も喜んだでしょう。失踪して一か月たつと、もう見つかるのはなかなか厳しくなりますが、冬にいなくなった犬が春になって帰ってくるとはね。

「雪の夜 イブに破れたわが恋よ 桜が咲いても春なお遠し」

そんな歌を詠んでいるスタッフ達に、今日のいい話を教えてあげよう。
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