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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

援護があれば、勇気百倍

「最近、猫がさ、うちの庭によく来るのよねえ。」

待合室にいる里親探しの可愛い子猫を見ながら、ポチちゃんのお母さん、マダムOが話されました。

「春だからさ、花を植えるでしょう、そうしたら、なんだか猫が入ってくるのよ。」

「ああ、そうなんですよね。土を耕したりすると、柔らかい土が好きなのか、猫が来ておしっこするんですよ。」

隣で聞いてたマル子が、相槌をうつ。

「でも、ポチちゃんがいるのに、庭に猫が入ってくるのですか?」

「ポチは弱虫だもの。猫の方が強いのよ。ただ、わたしが庭に出ると、ポチは吠えかかって行くんだけどね、わたしがいない時は、後ずさりするのよ。弱いんですよ。」

「ハハハ・・・、そうなんですね、猫の方が強いのか。」

私たちはクスクス笑ったが、いあや、これはポチ君に失礼だったかも知れない。

わたし達人間だって、同じだ。

バックに、大きな組織や大企業、大きな力が控えていると自信を持って好き勝手にやりたい仕事を進めるが、

逆に自分一人の時、向こうの力が巨大で途方もない大きさで立ちはだかる時は、あきらめて吼えるのをやめてしまうのです。

ポチ君とそんなに、変わりませんでした。

ポチ君を笑う資格はありません。
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