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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

京都市の野良猫

先日エキゾチック動物の診療講習のため、京都まで行ってきました。熱波が日本列島を覆った日で、京都市も37℃を記録したとテレビが報道していた頃です。

エキゾチックというのは、犬猫以外の小さな動物を指します。

小鳥、ウサギ、フェレットという動物達は、体も小さく扱いもデリケートを要します。特に小鳥やウサギなどの被捕食動物は強い恐怖を感じるとそれを引き金にショック死できる生理システムを持っているので、動物病院では扱いに神経を使います。

そんな動物たちに、それでもどんな検査ができるかについて、可能性を学んできました。

その折、京都新聞という地方紙を読んでいると、京都市の家庭動物相談所の野良犬野良猫の殺処分について、記述がありました。

福岡県も長い間、犬猫殺処分数全国一の不名誉な歩みをしてきましたが、今でも二位かその辺りに位置していると思われます。しかし京都市も苦労しているようです。

新聞記事によれば、猫は2011年度には京都市で1,576匹を引き取ったそうですが、新しい飼主に引き渡されたのはわずか41匹だったそうです。

野良猫は生活力が旺盛で、犬より生き抜く力が強いようですから、どれだけ捕獲されても、まだまだ都会ではおびただしい繁殖をしているようです。

伝染病が蔓延し猫エイズや猫ネコ白血病でたくさん死んでいます。交通事故で多数が倒れ、毎日道端で可哀想な姿を横たえています。

そのうえ、施設に持ち込まれたり、捕獲されたりして殺処分されるのですが、なお増加する猫の姿に、憐れさとともに驚きと敬意を覚えます。

猫はトキやニホンオオカミのようには、滅びないようです。こんな逞しい動物が地球上にいるのは、考えようによっては有難いことです。
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