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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

52日後の帰還

「あら!」

「あっ、こんにちわ!」

マル子が近所の郵便局に用事で出かけた時です。マダムHに会いました。

「マダム、あれから、ポチちゃんは、見つかりましたか?」

昨年の九月にマダムの家から、15歳のポチがいなくなったのです。「犬を捜しています」のポスターを作ってマダムが持ってこられたので、病院の待合室にずっと貼っていました。

マル子はそれを覚えていたので、お尋ねしたのです。

「はい、ポチは、居なくなって52日後でした。ひょっこり帰ってきたんです。
 その朝、庭に出ると、農作業に使う頭巾の上に寝ていました。」

・・・・・

「と、言うことでした。だから、先生、このポスターを、もう剥がしますね。」

「ふーん、それは良かったね。でも、52日もいったいどこを彷徨っていたんだろうね。」

高齢犬はしばしば脱走します。けれど方向感覚も、自己防衛感覚も衰えているので、雨に打たれ続けたり、食事をとろうとする意欲もなかったりで、早期に衰弱して行き倒れになりやすいのです。

だから、若い犬の脱走とは、わけが違います。本当にラッキーでした。

ポチは、前にも脱走して保護されたことがありますから、これからも要注意です。

・・・それにしても、そんな老犬でさえも家を思い出して帰って来るのに、うちの子供たちは学校を卒業したきり家を出て、めったに帰ってきません。

方向感覚はまだ鈍ってないと思うのですが、私も庭に、頭巾でも置いてみようかしら・・・。
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