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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

落下の思い出

「うん、この前腰の高さからそっと落として着地させたけど、一応四足で立ったよ。ウッって言ったけど。」

タビタは昨年からいる若猫です。三毛猫で可愛い顔しています。目がやや悪くて、体も弱く大きくはなれそうにあれませんが、先輩の畏咲(イサク)や祉門(シモン)とは大の仲良しです。

今は猫舎の二階に居るので、そこからもし床に落ちても頭など打たずにきちんと立てるか?それを検討したのでした。

と、カメ子が話し出す。

「そうそう、私ですね、小学生の頃、鉄棒の一番高いところがあるでしょう。あそこによじ登って遊んでいた時、落ちたんです。

そしたら胸を打って、ウッとしばらく息が出来なくなりました。
でも、そんなことしゃべったら怒られるから、家に帰っても話しませんでした。」

「うちもね、小学生の頃、妹が二階建てベッドから落ちたことがあるのよ。」

マル子も話し出す。

「それでね、やっぱり妹も息が出来なくなってね、わたしあわててお祖母ちゃんちに呼びに行ったのよ。」

「お祖母ちゃんちって?」

「はい、100mくらい離れているんですけどね。まあ、御祖母ちゃんが来てくれた頃には、妹は治ってたんですけど。

でも後でお母さんから、『そんなことでお祖母ちゃんを呼びに行ったら、お祖母ちゃんが死んじゃうわよ、心臓が弱いんだから。』って、叱られました。

でも、結局、おばあちゃんは心臓は弱くなかったんです。96歳になっても生きていますから。」

ハハハ・・・、マル子の分析にも、一理ある。

まあ、みんな子供の頃一度はどっかから落ちて、痛い目にあったことがあるのでしょう。

子供の頃痛い目に遭う、それも大事な経験です。

私も小学校の頃、誰もいなくなった校庭で、一人で苦手な鉄棒の練習していて着地できず背中を打ち、息が止まったことがある。

どさっと落ちた瞬間、ウッと息が止まってしまう。
苦しいから早く息を吸いたいのだが、あの瞬間はどうしても息が出来ず死ぬ思いを味わう。

砂場に倒れたまま、夕方の空を見上げてうめき声も出ない。ようやく息が出来るようになって、一人よろよろと起き上がったけれど、あれは六年生の頃の思い出かしら・・・
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