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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

押して歩く係り

猫のワクチンにムッシュ&マダムKが来られた。

ひょんなことから保護し、それ以来家族として大事に飼っている二匹の猫たちです。

「散歩で室見川に行くと、子猫が捨てられたりしているから、あまり行かないようにしています。だって、もし見つけたら、可愛そうでほっとけないでしょ。また、連れて帰っちゃうでしょ。」

「うーむ、まだ、室見川には捨てられることがよくあるんですか?」

「はい、多いと思います。」

「うーん、袋詰めにして捨てるのは、もってのほかですね。

でも、個人的には、私は町に、猫がウロウロして、雀が飛んで、リスがチョロチョロして、イタチも出没して、ほかの野生動物が見かけられる場所であってほしいとは思いますが。」

「あっ、イタチ、見ますよ。結構見ます。この前も二階でばたばた走り回っている音がしたので、天井見上げて、

『あー、タマがまた走っているのかな?』

と思っていたんですが、ふと横を見ると、そばでタマも一緒に天井見上げてたんです。あれはきっと、イタチだと思います。

それに、レースで竹田とか行くとき、狸も狐も鹿もみます。ハクビシンもいるらしいですが。」

ムッシュはバイクの店を経営しながらオートレースに出ている方で、九州でもランキングの高い位置におられるようです。

「でも、最近は景気が悪いのでスポンサーもつきにくくて、大変です。

あのですね、草レースならともかく、プロを目指す連中が出るちゃんとしたレースは、結構大変なんですよ。

まず、スタート地点まで押して行く規則があるんですが、広いサーキットではあの距離が長くて自分で押していたら体力を消耗しちゃうんです。

それで、バイクを押してくれる協力者が必要です。

それから、スタート直前の青いランプが点くまで、タイヤウオーマーで、タイヤを温めているんです。最初からきちんと地面をグリップするために大切なんです。

このタイヤウオーマーをスタート直前にはずしてくれて、しかもその電源となる発電機と一緒に片付ける協力者もいるんです。

だから、最低でも三人は協力者が必要なんです。そんなレースに出続けることは、なかなか大変ですよ。」

私はそんなことは、ちっとも知らなかった。

(そうか、バイクのレースって、スタートラインまで、押して歩くわけか。それでもって、スタートラインに並んでも、タイヤを温めてもらっているのか!・・・)

どんな競技でもそうですが、やっぱり目立たないところで、協力者、クルーの力が大きいのですね。

動物病院でもおなじです。

採血一つにしても、一人ではなかなか。助手がいないと、出来ないことばっかりです。

お互いみんなそう、

「謙虚であれ、どこまでも謙虚であれ!」

ですね。
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