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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

私は見てたんだ!

「あんたんとこの猫だろ! うちの庭に来て、いつも糞をしていくのは!」

隣りのおじさんが、マドモアゼルTの家に文句を言いに来られました。

「いいえ、うちの猫じゃ、ないと思います。」

「そんなことがあるか、私が自分の目でちゃんと見たんだ。あんたんとこそっくりのトラ猫が、塀をくぐって入って来て、しゃがんとった。」

「いえ、でも、うちの猫は外で糞をしませんから。」

「そんなこと言っても、私が見とったんだから。」

「でも、うちの猫は、糞をしないんです。」

「そげんバカなことはなか。生きてめしを食っとる生き物は、すべてウンチをする。せんはずがない。」

憤慨しているおじさんは、一歩も譲りません。マドモアゼルは控えめにしかし、きっぱりと答えました。

「ですけど、うちの猫は重度の便秘症で、月に二、三回くらい、病院でウンチの掻き出し処置を受けて生きてるんです。自力で排便できないんです。

もう三年以上、通院してますから・・・・」

「はあ?・・・・・ウンチが出んて・・・そんな・・・ブツブツ・・・」

隣りのおじさんは、矛先を収めてまだ不満そうにブツブツ言いながら帰られたそうです。

トラちゃん良かったね。
慢性便秘の持病のおかげで、とんだ濡れ衣を着せられなくて。

もう先日で、122回目の処置をしたしね。
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