「うーん、十二月八日か、今日は何の日だ?」
朝、薬のコーナーで患者さんの薬を包みながら、私は傍にいた猫娘に問いかける。
「今日・・・ですか??」
はてな?という顔をして、猫娘が目をくるりとさせるが、やっぱり覚えているはずが無さそうだ。
「今日はね、真珠湾攻撃があった日だ、」
「真珠湾?」
「そう、むかし日本がアメリカと戦争を始めた日だ。ハワイの真珠湾だ。」
「シンジュって、あの真珠ですか?」
「そう、あの真珠」
「へー、それは学校で習いますか?」
「そりゃあ、習うだろう。現代史で一番大事な部分の一つだろうから。」
「ゲンタシン?」
「ゲンタシンじゃない。現代史!。」
「へー・・・」
猫娘は口をすぼめて「へー」と言うと、また薬を包み始めた。
うーん、やっぱり、ぴんと来ないようだ。
まあ64年も前に終わった戦争を、いつまでも昨日の事のように語り継ぐのは、無理な話だろう。
無理かもしれないが、でも、少なくともあの戦争を昨日の事のように語り継いでいる人が多い間は、
きっと日本では次の戦争は、始まらないでくれるだろう。
朝、薬のコーナーで患者さんの薬を包みながら、私は傍にいた猫娘に問いかける。
「今日・・・ですか??」
はてな?という顔をして、猫娘が目をくるりとさせるが、やっぱり覚えているはずが無さそうだ。
「今日はね、真珠湾攻撃があった日だ、」
「真珠湾?」
「そう、むかし日本がアメリカと戦争を始めた日だ。ハワイの真珠湾だ。」
「シンジュって、あの真珠ですか?」
「そう、あの真珠」
「へー、それは学校で習いますか?」
「そりゃあ、習うだろう。現代史で一番大事な部分の一つだろうから。」
「ゲンタシン?」
「ゲンタシンじゃない。現代史!。」
「へー・・・」
猫娘は口をすぼめて「へー」と言うと、また薬を包み始めた。
うーん、やっぱり、ぴんと来ないようだ。
まあ64年も前に終わった戦争を、いつまでも昨日の事のように語り継ぐのは、無理な話だろう。
無理かもしれないが、でも、少なくともあの戦争を昨日の事のように語り継いでいる人が多い間は、
きっと日本では次の戦争は、始まらないでくれるだろう。