「寒くなって、最近あちこちで猫にさかりがついとるね。うちも昨日、夜中中鳴いてる猫がおって、もうあんまり眠れんかったー。」

午後のお茶の時間でした。
マル子の言葉を聞いて、カメ子も話し始める。

「そうそう、すごく鳴いてるよね。

私のビルでもそうよ。
この前、帰宅して玄関に入ろうとしたら、凄く鳴いていて、ケンカしてるみたいでしたよ。

私、立ち止まって声がする暗闇の方を目を凝らして見ていたんですけど、そこに灰色の猫が居たんです。

じっと見ていたらその猫がフワッと浮いたと思ったら、空中に浮かんでいるんです。

「わっ! 浮かんでる!」

私、驚いたんですけど、よく見ると下に真っ黒の猫がいて、交尾中でした。」