青春時代が夢なんて
「先生、実はこのたび、担当が替わることになりました。今月までは私が参りますが、来月から彼がまわるようになりますので、よろしくお願いします。」
「おや、そうなんですか! それは寂しい。ああそうか、ムッシュはいよいよ、営業部長になって、会社から陣頭指揮ですか!?」
昼休み、若いお薬やさんが来られた時、そう言われたので、ジョークで返した。
「ハハハ・・・、いえいえ、実は私、仕事を変わることになりまして。」
「え!? 何ですって、仕事を変わるんですか? 」
「はい、全然別の仕事に。」
「別の仕事、さては、どこかにヘッドハンティングされましたか?」
「いやあ、それが・・・。実は去年の暮れから考えていて、家族会議をしながらだいぶ話し合ったんですが、
長崎に行って、しばらく修行をして、お店を持とうと思っています。え? はあ・・・、焼き鳥屋なんですが。」
(うっ・・・・)
私はびっくりして、一瞬言葉が出なかった。
いつも背広を着て、ネクタイを締めて営業にまわるムッシュが、そんなことを思案していたとは・・・。
「長崎で、修行ですか・・・?」
「はい、実は僕が学生時代、そこで四年間バイトをしたもので、店の人を良く知っていて、福岡にも知り合いが店を出しているんです。」
「へーえ、そうなんですか。」
ムッシュの腹は決まっているらしい。
地元の大きな会社で、安定した道を進むより
何らかの理由で、まったく新しい歩みに、踏み出そうと決心したようだ。
「頑張ってくださいね。お店を出したら、連絡くださいよ。」
「はい、その時はまた、連絡いたしますので。」
・・・・・・・
人生とは不思議なものです。
学生時代に、何気なくバイトをしたこと、それだけで自分の人生に何かを刷り込んでいるのでした。
十年後、二十年後の自分を変えるのです。
いや、バイトに限らず、若い時の経験の一つ一つが、何かを自分に無意識のうちに刷り込んでいるのでしょう。
今日もそんな一日を、生きているのですね。
「おや、そうなんですか! それは寂しい。ああそうか、ムッシュはいよいよ、営業部長になって、会社から陣頭指揮ですか!?」
昼休み、若いお薬やさんが来られた時、そう言われたので、ジョークで返した。
「ハハハ・・・、いえいえ、実は私、仕事を変わることになりまして。」
「え!? 何ですって、仕事を変わるんですか? 」
「はい、全然別の仕事に。」
「別の仕事、さては、どこかにヘッドハンティングされましたか?」
「いやあ、それが・・・。実は去年の暮れから考えていて、家族会議をしながらだいぶ話し合ったんですが、
長崎に行って、しばらく修行をして、お店を持とうと思っています。え? はあ・・・、焼き鳥屋なんですが。」
(うっ・・・・)
私はびっくりして、一瞬言葉が出なかった。
いつも背広を着て、ネクタイを締めて営業にまわるムッシュが、そんなことを思案していたとは・・・。
「長崎で、修行ですか・・・?」
「はい、実は僕が学生時代、そこで四年間バイトをしたもので、店の人を良く知っていて、福岡にも知り合いが店を出しているんです。」
「へーえ、そうなんですか。」
ムッシュの腹は決まっているらしい。
地元の大きな会社で、安定した道を進むより
何らかの理由で、まったく新しい歩みに、踏み出そうと決心したようだ。
「頑張ってくださいね。お店を出したら、連絡くださいよ。」
「はい、その時はまた、連絡いたしますので。」
・・・・・・・
人生とは不思議なものです。
学生時代に、何気なくバイトをしたこと、それだけで自分の人生に何かを刷り込んでいるのでした。
十年後、二十年後の自分を変えるのです。
いや、バイトに限らず、若い時の経験の一つ一つが、何かを自分に無意識のうちに刷り込んでいるのでしょう。
今日もそんな一日を、生きているのですね。
2013-05-16 11:48
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