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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

噛まないでください

「危ないよ、手を出したら!」

診察室に入ってきた犬を見て、不慣れな看護士がすぐ抱きかかえようとするとき、注意することがあります。

動物を診療していると、すぐ触っても大丈夫な犬と、様子を見ながら近づいたほうが安全な犬は、なんとなくわかってきます。

ベテランは怪我をしないように用心して犬をハンドリングしますが、それでも時々不覚を取り、外科のお世話になることもあります。

ところで、動物看護士は危険な職業といえば、そうかもしれませんが、先日聞いた話しによれば、人のナースも結構危険な職場のようです。

「あのね、介護が必要で入院してきた痩せたおじいちゃんがいるけど、なかなかよ。

ベッドのサイドにある落下防止の柵があるでしょう。あれを抜いて、投げつけるのよ。どこにそんな力が残っているのかしら。だから、ベッドから柵を抜いたわよ。

それに、『お口磨きしますよ、はーい、じゃあ、これにペーしてください。』ってうがいしたものを容器に吐き出せるよう差し出したら、わざとプーッてナースの足に吹きかけるんです。

この前なんか、喉がタンで詰まっているので、吸引していたら、ナースの指を噛んできて、危うくよけたけどゴム手袋を噛んだのよ。

『ね、離してください。○○さん、噛まないでください。』って頼んだんだけど、しっかり噛んで離さないんです。

ゴムがピーって伸びて、患者さんの顔にバチンと当たらないよう、気を使いましたよ。」

うーむ、なかなかのおじいちゃんです。

90近くになって、ねじれ者というか、ワルというか・・・。

・・・犬のほうが、やっぱりだいぶ、可愛いかも。
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