サファリランドでの拾いもの
「ランランラン・・・、今日は楽しいドライブだ〜♪」
それは20年ほど前のことです。
マダムMファミリーが、久し振りの休みを利用して、大分のサファリランド(自然動物園)まで出かけたのです。
お空は晴れ渡り、気持ちの良い風が窓から入ります。
「お父さん、まだかなあ?」
「うん、まだまだだ。ここは日田あたりだから、まだ半分だよ。」
「うーん、早く、着かないかなあ!」
「ねえ、お母さん、お腹空いたわ。」
「あら、もうお腹すいたの?それじゃあ、ハイレモン食べる?」
「わーい!」
子供たちもウキウキです。
さて、ようやく安心院に着き、お父さんが入場券を買い、いよいよ園内入場です。子供たちは間近でライオンを見れると大興奮。
グルグルグル・・・ガオー!
「うおー!、いたいた! すごい!」
「わー、こっちにくるわ! こわい!キャー!」
・・・・・
「あっ、こっちにはサイがいる! でっかいなあ!」
「あんなのに突っかかれたら、こんな車ひっくり返るぞ!」
・・・・・・・
ドキドキしながら、ゆっくり園内を走り、最後に二重のゲートをくぐってサファリランドの冒険は終わりました。
駐車場に車を止めて、子供たちは売店に走ります。と、その時、お店の前でチョロチョロしている子猫を見つけました。やせこけて、顔も汚れています。
「あっ、こんなところに子猫が居る!」
「あっ、本当!」
子猫は子供たちの顔を見上げて、「ミャー、ミャー」と、力ない鳴き声をあげました。
「お母さん、ほら、子猫が・・・」
「あらあら、本当ね、・・・あの、この子猫はどうしているんですか?」
マダムは売店のおばさんに、聞きました。
「はい、二つで千八百円になります。・・・ああ、その子だろ、最近ウロウロしてんのよ。きっと捨てられたんじゃないかね、この辺りはよく捨てられるのよ。良かったら、連れて行ってよ。」
「お父さん、捨てられてるんだって。」
「ふーん、かわいそうだなあ」
「ねえ、連れて帰ろうよ。」
「ねえねえ、家で飼おうよ・・・」
みんながお父さんの顔をじっと見ます。お父さんが何と言うかで、子猫の運命は決るからです。
「うーん、・・・・・・」
まだみんな黙って、お父さんの顔を見つめています。お父さんは口をすぼめたり、眉を寄せたりして、考え込みます。
「うーん、・・・、仕方ないな、じゃあ、連れて帰ろうか!」
「わーい、わーい!」
「やったー、一緒に車に乗せるねー!」
というわけで、ミケちゃんはマダムの家に来たのが20年前でした。三毛猫だからミケちゃん。それ以来、ミケちゃんは、子供たちと一緒に育ちました。
いつの間にか子供たちも大きくなり、家を出て・・・
それでもミケは家の中心にいて、折りあるごとにみんなに可愛がられました。
しかし20歳を過ぎる頃から肝臓と腎臓を患うようになり、一年間の治療を経て、最後の体重は1.1kgになってもまだよろよろ歩いてトイレに行こうとしていました。しかし、ついに力尽き、この12月に亡くなりました。
大分の安心院出身?のミケちゃんは、こうして、福岡で幸せな生涯を送ったと言う物語です。
それは20年ほど前のことです。
マダムMファミリーが、久し振りの休みを利用して、大分のサファリランド(自然動物園)まで出かけたのです。
お空は晴れ渡り、気持ちの良い風が窓から入ります。
「お父さん、まだかなあ?」
「うん、まだまだだ。ここは日田あたりだから、まだ半分だよ。」
「うーん、早く、着かないかなあ!」
「ねえ、お母さん、お腹空いたわ。」
「あら、もうお腹すいたの?それじゃあ、ハイレモン食べる?」
「わーい!」
子供たちもウキウキです。
さて、ようやく安心院に着き、お父さんが入場券を買い、いよいよ園内入場です。子供たちは間近でライオンを見れると大興奮。
グルグルグル・・・ガオー!
「うおー!、いたいた! すごい!」
「わー、こっちにくるわ! こわい!キャー!」
・・・・・
「あっ、こっちにはサイがいる! でっかいなあ!」
「あんなのに突っかかれたら、こんな車ひっくり返るぞ!」
・・・・・・・
ドキドキしながら、ゆっくり園内を走り、最後に二重のゲートをくぐってサファリランドの冒険は終わりました。
駐車場に車を止めて、子供たちは売店に走ります。と、その時、お店の前でチョロチョロしている子猫を見つけました。やせこけて、顔も汚れています。
「あっ、こんなところに子猫が居る!」
「あっ、本当!」
子猫は子供たちの顔を見上げて、「ミャー、ミャー」と、力ない鳴き声をあげました。
「お母さん、ほら、子猫が・・・」
「あらあら、本当ね、・・・あの、この子猫はどうしているんですか?」
マダムは売店のおばさんに、聞きました。
「はい、二つで千八百円になります。・・・ああ、その子だろ、最近ウロウロしてんのよ。きっと捨てられたんじゃないかね、この辺りはよく捨てられるのよ。良かったら、連れて行ってよ。」
「お父さん、捨てられてるんだって。」
「ふーん、かわいそうだなあ」
「ねえ、連れて帰ろうよ。」
「ねえねえ、家で飼おうよ・・・」
みんながお父さんの顔をじっと見ます。お父さんが何と言うかで、子猫の運命は決るからです。
「うーん、・・・・・・」
まだみんな黙って、お父さんの顔を見つめています。お父さんは口をすぼめたり、眉を寄せたりして、考え込みます。
「うーん、・・・、仕方ないな、じゃあ、連れて帰ろうか!」
「わーい、わーい!」
「やったー、一緒に車に乗せるねー!」
というわけで、ミケちゃんはマダムの家に来たのが20年前でした。三毛猫だからミケちゃん。それ以来、ミケちゃんは、子供たちと一緒に育ちました。
いつの間にか子供たちも大きくなり、家を出て・・・
それでもミケは家の中心にいて、折りあるごとにみんなに可愛がられました。
しかし20歳を過ぎる頃から肝臓と腎臓を患うようになり、一年間の治療を経て、最後の体重は1.1kgになってもまだよろよろ歩いてトイレに行こうとしていました。しかし、ついに力尽き、この12月に亡くなりました。
大分の安心院出身?のミケちゃんは、こうして、福岡で幸せな生涯を送ったと言う物語です。
2011-12-20 15:00
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