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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

カルテの書き方

新人研修中のタマエが、初めて来られた患者さん相手に、カルテを作っていました。

ハンサムな好青年を前に、彼女は緊張しながら、聞き取りをしています。


「こんにちは! 初めておいでですか?では、お名前をお聞かせください。 え? あなたはこの犬の飼主ではなくて、代理の方なのですか?そうですか、・・・では本当の飼い主さんのその女性の名前を教えてください・・・

はい、ありがとうございます。

それと、ご住所をお聞かせ下さい。 え? この犬は飼い主さんの家でなく、あなたの家にいるんですか?

・・・そうですか、えーと、ではあなた様の住所をお願いします。

はい、ありがとうございます。
え? でも、今は、その飼い主さんも一緒に住んでいるんですね。

そうか・・・えーと、・・・・・

はい、ありがとうございます。それでは診察室にお入り下さい。」

こうしてタマエが作ってくれたカルテをもとに、診察をしたが、診察が終わった後で、私はカメ子に指摘されて気がついた。

それで、あとでタマエを呼んで注意した。

「ねえ、タマエ君、カルテはね、住所の欄に、
 『○丁目○番地○○様と同棲中』と、こんな書き方はしないんだよ。

普通はね、『○丁目○番地○○様方』と、書くんだよ。」


<><><><><><>1304151739<>
26<>                    二重飛び


「避妊手術をしたら太りやすくなりますか?」
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二重飛び

「避妊手術をしたら太りやすくなりますか?」

よくいただく質問ですが、たしかに一般的に太りやすいようです。
犬でも、猫でも、手術をしてもしなくても、適度の量を加減しないとじわりじわりと太るでしょうが、手術をしたほうが少し太りやすいようです。

それと、まれに避妊手術で、排尿調節障害を起こす犬がいます。ぽたぽたと、おしっこが漏れやすくなるようです。
薬を飲めば、すぐ改善するのですが。

オシッコ漏れと言えば、嫁さんが話してくれました。

友人から聞いた話だそうですが、その友達の娘さんが、小学校で縄跳びの「二重飛び」を習っていたそうです。

だけど、なかなかうまく飛べません。

「『フフフ・・・、二重飛びは難しいやろ、お母さんも子供の頃、随分練習したからね、懐かしいな!』

『え? お母さん、二重飛びできると?』

『できるくさ、それぐらい、フフフ・・・。』

『え、本当? じゃあ、やって見せて!』

『かしてみー、じゃあよーく、見ときいよ。』

うまく飛べるか、ちょっぴり不安もあったんだけどさ、まだまだ自信があったから、やって見せたとよ。
そしたらさ、思いのほかうまく飛べてね。

ビュンビュン風を切る音を鳴らせて、この年になっても目にも留まらぬ速さで見事に連続二重飛びをやって見せたと。得意になって続けよったんやけど

そしたらね、私のほうを見て娘がさ、びっくりして、目を皿のように大きくして言うとよ。

『お母さん! どうしたと、ズボンがびっちょり濡れてるよ!』

私、全然気がつかんやった。もう、大笑いね・・・。やっぱり年よね。」

ということで、犬も人も、同じような悩みを抱える事があるようですね。皆さん、寄る年波の失敗談は笑い飛ばしましょうね。


あの、だけど念のため申し添えますが、縄跳びの話はあくまで友人に聞いたエピソードです。嫁さん自身の体験談ではありません。

その証拠に、嫁さんは二重飛びができないんです。
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ショッピングモールオープン

「先生はもう木の葉モールに行きましたか?私、昨日、行ってきたんですよ!」

お茶の時間です。昨日は休日だったカメ子が、持って帰ったモールの案内図をテーブルの上で開きながらそう言いました。

木の葉モールというのはごく最近西区にオープンしたショッピングモールです。数年前まではその付近は田圃も広がるのどかな郊外でしたから、地下鉄駅が出来てからの変貌振りは、まさに目を見張る勢いです。

都市高速が空を覆い、50m道路が町を切り分け、その切れ込みをつなぐための歩道橋が道路をまたいでいる。

ビルの工事中の頃から近郊の住民は、みんな興味津々で建築を見守っていましたから、営業と同時に待ちかねたようにたくさんの人波が押し寄せているようです。

「歩き回って疲れるほどの広さはなかったから、私にはちょうど良かったです。このパン屋さんとこのかばん屋さんと、この雑貨屋さんにじっくり寄りましたよ。」

「ふんふん、へえ・・・、ふんふん、そう・・・」

カメ子の説明に聞き入りながら、マル子とタマエが目を大きく開いて見取り図に見入っている。

「飲食店はどうなってるの?・・・ふーん、バイキングか、ちょっと高めだね。」

安くて美味しい物が食べたい私が聞くと

「でもここは、5時間かな?いられるんですよ。よそは一時間とか時間制限があるでしょ。だから、ゆっくり喋って、長居ができるんです。一人の料金は昼は2200円かな?夜は2800円だったかな?天神にもありますよ!奥さんなら知ってますよ!」

タマエが専門家の如く詳しく教えてくれる。さすがに食べ物に関する彼女の情報量は、先代猫娘の後を継げそうです。でも何で「奥さんなら知ってますよ」と、言うんだろう。

「それで、何を食べたの、昨日カメ子さんは?・・・」

「あのね、パン屋さんでパンを買って、座席があるから温めてもらって食べていたら、梅アンパンはホカホカでしたが、評判のカレーパンは冷たかったんです。

あれ、温め忘れたのかしら?どうしよう?と思ったんですが、もう一口かじってたので、今さら頼みにくくて、冷たいまま食べました。ちょっと、心残り・・・。」

まあ、カメ子にはいろいろあったようですが、この日のお茶は、みんなの心をショッピングモールに運びました。
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猫のヒゲ

「えーと、御会計○○円になります。」

診察が終わり、待合室で待たれていたムッシュKに、カメ子がお伝えした。
ムッシュはポケットから取り出した財布を開きながらニッコリ笑い

「金がないっちゃね、・・・ほら、マンデルのヒゲ!」

と、一本の猫のヒゲをカメ子に差し出した。ちなみにマンデル(仮名)とはムッシュが可愛がっている猫の名前です。

「え!?・・・マンデルちゃんのヒゲ?ですか・・・ハァ・・・」

突然のことでどう対応していいかわからないカメ子は、一本のヒゲを受け取ると、指でつまんだまま微笑んでいたが、

(たまたま入っていたヒゲを見せてくれたのかしら?・・・)

と思い、それをゴミ箱にポイとしようとした。

「あああ!  だめ、それは捨てちゃ駄目!」

あわててムッシュが声をかけ、カメ子からそのヒゲを返してもらう。

「これはね、猫のヒゲはお金を呼ぶというから、財布に入れてるんですよ、捨てちゃ駄目なのです。」

「へえ、猫のヒゲにそんな言い伝えがあるんですか?知りませんでした。失礼しました。」

カメ子が笑いながら頭をぺこりと下げる。


・・・・・・と、いうことがさっきありました。
カメ子が笑顔で話してくれる。

「ふーん、そんな言い伝えあったの・・・」

招き猫ぐらいなら誰でも知っているが、私も猫のヒゲの効用は初耳だった。

あとでさっそく畏咲(イサク・病院猫)のヒゲを全部抜いて、私の財布に入れとこうかしら・・・。

あいつ、協力してくれるかな?
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猫を探して・・・

「おや、誰か来られてるぞ?」

寒かった冬もようやく過ぎ、春らしい陽気になってきた三月のある水曜日でした。

当院では水曜日は6時で早仕舞いの日です。すでに病院は電気も消え、時刻も午後7時を過ぎており、すっかり夕闇が濃くなっていた頃のことでした。

私が所用のため車に乗って出かけようとした時、病院の玄関付近に人影が見えました。どうやらご高齢の女性です。ガラスドアの所から暗い病院の中をしきりに覗いたり、周辺をキョロキョロされています。

「どうかされましたか?」

私はエンジンを止め車を降りて女性のそばに行き、お尋ねしました。

「あの、避妊手術をお願いした猫を見に来たんですが・・・。」

「え? 今日は避妊手術をした猫は、入院していませんよ。」

「でも、ここはノア病院でしょ? ここだと思うのですが。家族からここだと聞いたのですが・・・」

「いえ、何かの間違いかと思います。他所の病院ではありませんか?」

「いいえ、ここのはずなんですが、おかしいわ・・・。」

「でも、間違いなく今日はそんな猫は入院していませんから。」

「そうですか、おかしいわね・・・、そうですか?」

どうしても合点がいかないような顔をして何度も振り返り、首をひねりながらしばらくして彼女は暗闇の中に戻って行かれた。

大丈夫かな?後姿を見送りながら、ちょっと心配になりました。
もしかしたらちょっぴり認知症があるのかしら?それとも本当に何かの聞き間違いで来られたのかしらと、私もよくわからない、判断に迷うそんな雰囲気の方でした。

思わぬことで時間をとり、出かける予定が遅れてしまったので、女性のことが気になりながらも私はそのまま車を出しました。

そうしたら、次の日です。女性は昼間の明るい時におなじことをおっしゃっておいでになったようです。
今度は制服を着たスタッフからも同じ答えを聞いたので、それで納得がいったのでしょうか、以来、もうお出でになっていません。

ただそれだけの出来事です。

あの方の探している猫は、見つかったのか?
それとも、幻の猫を今もどこかで探しているのか?
ちょっぴり、気になるのです。
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春の朝

「先生、今日はわたし、朝から大変だったんですよ。」

夕方の事です。検査室にモップをかけながら、マル子がそう言いました。今週のマル子は、遅番でした。当院は夜が9時まで受付して遅いので、朝早い出勤と、午後からの出勤に分かれるのです。

「へえ、何があったの?」

私はパソコンのキーを打ちながら、彼女に尋ねます。

「はい、朝ですね、私が居間に掃除機をかけていたんです。ごちゃごちゃしてるんですが、テーブルの置かれている隅々まで奥にも伸ばすようにして吸い込みをかけていたら、急に「ウオーン」って、掃除機の音が変になったんです。

(あれ、詰まったかな?)

と、思ったんですが、ゴトゴトといったと思ったらまた吸い込みだしたんです。

(何だったんだろう?)

私嫌な予感がして、スイッチを切ってゴミ出し口をあけて傾けたら、黒いウンチが3個コロコロと転がり出てきたんです。

『あー、やられた!』

しまったと思ったんですが、あれはきっとスマイルのウンチです。(スマイルというのは14歳を過ぎた黒いイングリッシュコッカースパニエルの雄で、マル子の愛犬です。)

スマイルは腎臓のお薬を飲んでいるでしょう。だから、ウンチは真っ黒なんです。

それで多分やっちゃったかな?と思ってタービンブラシを引っくり返したら、案の定ウンチをかき回してて糞だらけです。

ホースを覗くとやっぱり黒くなって、ウンチ臭くて、しかもまだ一個入ってたんです。

それで私、朝から掃除機全部洗う羽目になって、大変だったんです。」

「ハハハ・・・、そうか、そりゃあおおごとだったねえ」

こうしてマル子の穏やかだったはずの春の朝は一転、糞闘となったようです。
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春の公園で

ハナ 「桜がもうすっかり満開ですねえ。」

ポチ 「おや、ハナさん、久し振りじゃのお、元気にしとったかい?あれ、コロ爺さんも一緒かい。」

コロ 「いや、この公園の桜が見たくて、歩いてきたんじゃ。ところでおまえさん、春と言えば、もうフィラリアの薬は飲んだかい?」

ポチ 「ああ、わしゃ、今年は注射にしてもらったぞ。年をとって、忘れっぽくなったからの。」

ハナ 「あたしゃ、まだじゃよ。25日過ぎてからかもしれんのお。」

コロ 「もう4月だし、そろそろじゃ。ゴホゴホッ」

ポチ 「あれ、コロ爺さん、大丈夫かい?」

コロ 「心配ないわい。もう15歳じゃが、フィラリアの薬は毎年飲んどるけのお。」

ハナ 「皆で、長生きしましょうね。ここで一首、作りましたよ。」


      「 春うらら 桜に集う 犬たちも

             寄れば花咲く 健康談議 」
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塾のお誘い

「マダム、もう団地の桜は咲きましたか?」

「ええ、もうすっかり咲きましたねえ。三日の日に老人会で花見をしたんですが、その時は少し早かったけど・・・。」

猫の「のら」ちゃんを連れて、マダムNがおいでになりました。のらちゃんは黒と白の模様が奇麗な20歳をすぎた高齢猫です。時々爪切りに来ます。

「今年は咲くのが遅かったから、桜の下を歩いて入学式に行けそうね。うちは孫が二人、中学と高校とに入学するのよ。」

「おやマダム、それはおめでとうございます!」

「ふふ・・・、子供の数は減ったというけど、高校に入れるのはまだ大変よね。」

「そうですね、高校も定員を減らしてますしね。」

「あのね、今日車を運転してきた娘なんだけどね、あの子が中学生になって塾に入った時よ。お友達を紹介すると何かもらえるというのがよくあるでしょう。

それで娘は『私も誰か友達か家族紹介したいなあ。でも、誰もいないなあ・・・・』と言ってたの。それでこっそり『のら』を紹介したらしいのよ。

そしたらさ、それから何度も何度も『のら子様』って、塾から案内書が届くようになったの、フフフ・・・。

とうとう6年間、「のら子様」って案内が来てね、

『あんたが紹介したんだから、もう、のらを塾に連れて行きなさい。』って、私言ったわよ、フフフ・・・のら、あんた塾に行ってたら、もう少し頭のいい猫になってたかしら。」

マダムはのらちゃんを胸に抱き、笑いながら帰って行かれました。

それにしても、塾から6年間もお誘いが来ていたとは、のらちゃんは知ってたかしら・・・?
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エイプリルニュース

○ 中国の国営通信が発表した所によると、四川省のパンダ保護区でこの春生まれたパンダの中に、赤と白の非常に珍しい模様の赤ちゃんが見つかったとのことです。

 ご存知のとおりパンダは黒と白の模様が普通で、今回はなんらかの原因で突然変異が生じ、赤の色素が発生したのではないかと言われています。

 なお、四川省研究所では赤と白の模様を有するパンダは新種であり、これは従来のパンダと区別して、「ナンダ」と命名する予定です。




○ 地球温暖化が進み北極の氷が急速なスピードで減少しているのが案じられていますが、ロシアのタス通信が最近伝えた所によりますと、シベリアの永久凍土の中からこのほど氷解して見つかったマンモスの心臓がかすかに拍動を始め、目もうっすらと開いたということで、話題になっています。

科学者たちは、このまま覚醒するとしたらいったいどこでマンモスを飼うべきか、あわてて議論を始めています。
プーチン首相は、沖縄にある「象の檻」が空いて使用可能か、非公式ルートで問い合わせたという情報もありますが、管首相はアメリカの意向を気にし、なんとか代替地を探そうとしています。
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